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「もっと人が少なくて、しかも日本人に対して友好的な国に行きたい」——そう考えたことがある方は少なくないと思います。実は世界には、歴史的な経緯から日本への好感度が非常に高いにもかかわらず、日本人観光客がまだそれほど多くない国がいくつも存在します。この記事では、親日国と呼ばれる国々の背景を事実ベースで整理しながら、「親日国=日本語が通じる」という誤解にも触れ、日本人がまだ少ない狙い目の旅行先を紹介します。私たちSemelar Beach Villageはロンボク島セコトンで日本人スタッフとともに滞在プログラムを運営しており、まさに「親日だけど日本人が少ない」現場から、この記事を書いています。
この記事でわかること
- ✓親日国と呼ばれる国々の歴史的な背景
- ✓親日でありながら日本人観光客が少ない国の具体例
- ✓「親日国=日本語が通じる」ではないという注意点
- ✓インドネシア・ロンボクの実情と私たちの立場
結論
親日的な国と、日本人観光客の多い国は必ずしも一致しません。歴史的な結びつきが強いのに観光客数がまだ飽和していない国を選べば、友好的な雰囲気を保ちながら、混雑や「日本人だらけ」の感覚が薄い非日常の旅行先に出会えます。
そもそも「親日国」とはどんな国?
「親日国」とは、歴史的な出来事や交流の積み重ねによって、日本や日本人に対して好意的な感情を持つ人が多いとされる国を指します。旅行先を選ぶときに「親日国かどうか」を意識する人は多く、言葉が通じなくても現地の人が親切にしてくれそうだという安心感は、初めて訪れる国を選ぶ際の大きな判断材料になります。訪日ラボの記事では、台湾・タイ・シンガポール・トルコ・ポーランド・モンゴル・フィンランド・パラオ・インドネシア・ブラジルなどが代表的な親日国として紹介されており、それぞれ統治時代の記憶、災害・戦争時の相互支援、移民が示した勤勉さなど、成り立ちの背景は国ごとに大きく異なります。共通しているのは、どの国も「観光客としての日本人が多いから親日」なのではなく、歴史の中で積み重ねられた具体的な出来事が土台になっているという点です。そしてこの背景と、実際に日本人観光客がどれだけ訪れているかは、必ずしも比例しません。
親日感情が生まれる経緯は大きく分けると、統治時代の教育・インフラ投資の記憶(台湾やパラオ)、災害や事故の際の相互支援(トルコやポーランド)、移民や企業進出を通じた信頼の積み重ね(ブラジルやシンガポール)といったパターンに整理できます。どのパターンも、日本人観光客の多さとは直接関係のない、もっと以前からの出来事に起因しています。そのため、観光地としてまだ十分に知られていない国の中にも、実は歴史的な親日の土台を持つ国が存在する、という構造が生まれます。
図:親日感情が生まれる3つの歴史的パターン
親日なのに日本人観光客が少ない国の具体例
インドネシア
インドネシアが親日国とされる背景には、独立戦争の時代に一部の日本人がインドネシア側に残り、共に戦ったという歴史があります。この歴史は現地でも語り継がれており、対日感情の土台のひとつになっています。一方で、訪日インドネシア人観光客は2012年の約10万人から2016年には約27万人へと5年間で2.7倍以上に増えており、日本への関心自体は高まり続けています。しかし逆方向、つまり日本からインドネシアを訪れる観光客は、タイやベトナムほど多くありません。特にロンボク島のように直行便がなく、バリ島の陰に隠れがちなエリアでは、日本人観光客はまだかなり少ないのが現状です。詳しい実情はインドネシア・ロンボクは親日国?とロンボクの日本人観光客数で紹介しています。
図:訪日インドネシア人観光客数の推移
5年間で2.7倍以上に増加
パラオ
パラオは1914年から1945年まで日本の委任統治領で、この間に日本は学校や病院の設立、インフラ整備などを進めました。この歴史的経緯から、現地では日本統治時代を肯定的にとらえる高齢層も多く、パラオ語には「センプウキ(扇風機)」「デンワ(電話)」など日本語由来の言葉が今も残っています。世界有数の親日国とされる一方、日本からの直行便が限られていることもあり、知名度の割に実際に訪れる日本人観光客はそれほど多くありません。ダイビングスポットとして海外の愛好家からは高く評価されている国でもあり、混雑を避けて自然を楽しみたい層にとっては、親日という安心感と相まって魅力的な選択肢になり得ます。
トルコ
トルコの親日感情の原点としてよく語られるのが、1890年に和歌山県沖でオスマン帝国の軍艦エルトゥールル号が遭難した際、地元住民が総出で救護にあたったという出来事です。この史実は現在もトルコの教科書に取り上げられており、世代を超えて語り継がれていると紹介されています。単なる過去の出来事としてではなく、今も両国の友好の象徴として語られている点が特徴です。トルコは世界有数の観光大国として知られますが、日本からは飛行時間が長いこともあり、東南アジアの人気目的地に比べると、実際に訪れる日本人はまだ少数派にとどまっています。歴史的建造物や独自の食文化など観光資源は非常に豊富な国であるため、距離のハードルさえ越えられれば、親日的な雰囲気の中で新しい旅の体験ができる行き先のひとつです。
台湾の南部(台南・高雄など)
台湾は親日国の代表格として知られ、訪日台湾人観光客数も多い国です。ただし日本人観光客の側は、台北や九份など北部の定番エリアに集中しやすい傾向があります。台南や高雄といった南部エリアは、独自のグルメやレトロな街並みなど魅力的な観光資源を持ちながら、近年ようやくメディアなどで再注目され始めた段階で、北部に比べるとまだ日本人観光客の少ないエリアといえます。同じ親日国の中でも、地域によって観光客の集中度に差があるという例です。定番の北部エリアで台湾らしさを一度体験した後、あえて南部まで足を延ばしてみると、同じ国の中でも観光客の少なさや街の雰囲気の違いを新鮮に感じられるはずです。
「親日国=日本語が通じる」ではない
ここで注意しておきたいのが、「親日国だから日本語が通じるはず」というのは誤解だという点です。親日感情は歴史や国民感情の話であって、語学教育や観光インフラの整備状況とは別問題です。パラオのように日本語由来の単語が残っている国でも、それは限られた語彙や高齢層に偏っていることが多く、日常会話が日本語で成立するわけではありません。私たちが拠点を置くロンボクも同様で、Semelar Beach Villageには日本語で相談できる日本人スタッフが在籍していますが、これはあくまで私たちの拠点においてであり、島全体で日本語が通じるわけではありません。空港やホテル、レストランのスタッフの多くは英語かインドネシア語での対応が基本で、日本語での接客が当たり前という状況ではないのが実情です。この違いを正確に理解しておくと、現地での期待値のズレを防げます。日本語対応の考え方はロンボクの日本語対応事情、日本語が通じやすい旅行先全般については日本語が通じやすい海外の行き先でまとめています。
注意
- 「親日」と「日本語対応」は別物:国全体が親日的でも、日本語が通じる場所は観光拠点など限られたエリアに集中します。
- 翻訳アプリや英語の準備はしておく:日本語が通じない場面を前提に、最低限のコミュニケーション手段は用意しておくと安心です。
インドネシア・ロンボクの実情
ロンボク島セコトンは、独立戦争の歴史を背景にした親日的な雰囲気がありながら、日本人観光客はまだ非常に少ないエリアです。バリ島のようにパッケージツアーが整備されているわけではなく、海外旅行の言語や治安に不安がある方にとっては、最初の一歩に戸惑いを感じるかもしれません。だからこそ私たちは、日本語で相談できるスタッフを常駐させ、渡航前の不安を減らせる体制をつくっています。「日本人が少ない=不便」ではなく、「日本語の通じる拠点があるからこそ、日本人が少ない非日常を安心して楽しめる」という組み立てが、私たちの提供したい滞在の形です。海外旅行そのものに不安がある方は海外旅行の不安を減らす準備もあわせてご覧ください。
バリ島は近年、観光客の増加とともに一部エリアの混雑や価格上昇が指摘されるようになってきています。実際、バリ島を訪れる日本人旅行者は1990年代から2000年代前半にかけて増加した後、2010年以降は減少傾向にあり、平均滞在日数もかつての4泊6日前後から2泊4日〜3泊5日程度へと短くなってきているという指摘もあります。これは裏を返せば、バリのすぐ隣にあるロンボクが、まだ「日本人観光客の少なさ」という価値を保ちやすい立ち位置にあるということでもあります。親日的な土壌がありながら、開発と混雑がバリほど進んでいない今のタイミングは、静かな滞在を求める方にとって一つの好機だと私たちは考えています。
🏝️ セコトン現地からのひとこと
セコトンの村を歩いていると、年配の方から片言の日本語で話しかけられることはほとんどありませんが、日本人だからと警戒されることもまずありません。むしろ「日本から来た」と伝えると笑顔で歓迎してくれる場面が多く、観光ずれしていない親しみやすさを感じます。ただしそれはあくまで人柄としての親しみであって、言葉の壁は現実にあります。買い物やちょっとした交渉の場面では、身振り手振りや簡単な英単語でのやり取りが基本になることも多く、日本語をそのまま使える場面は限られています。だからこそ私たちのようなスタッフが間に立つ意味があると、日々感じています。
よくある質問
Q. 親日国と言われる国は他にもありますか?
代表的な国として、台湾・タイ・シンガポール・トルコ・ポーランド・モンゴル・フィンランド・パラオ・インドネシア・ブラジルなどがよく紹介されます。それぞれ親日の背景となった歴史的な出来事が異なります。
Q. 親日国なら英語が話せなくても旅行できますか?
親日感情と語学対応は別物のため、英語や現地語の最低限の準備、翻訳アプリの用意はしておくのがおすすめです。日本語で相談できる拠点を選ぶという方法もあります。
Q. ロンボクにはどれくらいの日本人観光客が訪れていますか?
バリ島などに比べるとまだかなり少ない水準です。より詳しい実情は関連記事のロンボクの日本人観光客数で紹介しています。
Q. 治安への不安がある場合、親日国は選びやすいですか?
親日感情の有無は治安の良し悪しと直接は結びつきません。治安情報は外務省の海外安全情報など別の情報源で必ず確認し、親日かどうかは行き先選びの一つの参考材料として捉えるとよいでしょう。ただし経験的には、現地の人が友好的な地域は道を尋ねたり困ったときに助けを求めたりしやすく、結果として旅行中の心理的な安心感にはつながりやすい側面があります。
まとめ
親日国と呼ばれる国は世界に複数存在し、それぞれ独立戦争や統治時代、災害時の相互支援など、具体的な歴史的背景を持っています。しかしその親日的な感情の強さと、実際に日本人観光客がどれだけ訪れているかは別問題です。インドネシアやパラオ、トルコ、台湾南部のように、親日でありながら日本人観光客がまだ少ない国や地域を選べば、友好的な雰囲気の中で混雑を避けた旅行がしやすくなります。
ただし「親日=日本語が通じる」という思い込みだけは避けるべきです。歴史的な親しみと、実際の語学対応は別物として準備しておくことが、安心して旅行を楽しむための現実的な備えになります。私たちが拠点を置くロンボクも、まさにこの「親日だけど日本語は限られた場所でしか通じない」を体現するエリアです。日本語で相談できる拠点があるからこそ安心して踏み出せる非日常を、私たちはこれからも提供していきたいと考えています。行き先を選ぶ際は、親日かどうかという一点だけでなく、治安情報や現地の物価、アクセスのしやすさなども合わせて確認し、総合的に判断することをおすすめします。

この記事が根拠にした情報
- 訪日ラボ「世界の10の『親日国』を紹介 日本人が意外と知らない歴史とつながりについて」https://honichi.com/news/2021/04/28/projapan/
- 訪日ラボ「なぜパラオは親日国なのか?パラオと日本の関係を歴史や産業・統治時代への評価から解説」https://honichi.com/news/2019/12/11/republicofpalau/
- 訪日ラボ「トルコ人に親日家が多い理由:日本との歴史背景・共通点・インバウンド事情」https://honichi.com/news/2019/12/06/turkeyjapan/
- ダイヤモンド・オンライン「大変貌の南台湾!『台南』『高雄』観光地にないレトロな新スポットと美食をお得に巡る」https://diamond.jp/articles/-/341127
- 訪日ラボ「データでわかる訪日インドネシア人観光客」https://honichi.com/visitors/asia/indonesia/data/
- 南国うまうま日記「バリ島の日本人観光客が減少した理由」https://www.umaumabali.net/post/japanese-traveler

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