ノマドの東南アジア国選び|ビザ費用と183日で決まる

2026年8月14日・公式情報を再確認

バリ島に一度行った人が次に考えるのは、たいてい「もう少し長くいられないか」です。1〜2週間の旅行では足りない、けれど移住までは踏み切れない。この記事は、そういう「バリの次を、数ヶ月単位で探している人」に向けて書いています。東南アジアの主要5カ国――タイ・マレーシア・ベトナム・インドネシア・フィリピン――を、雰囲気やカフェの写真ではなく、ビザに実際に払う金額183日という税務の線、そして都市名レベルでどこに座るかという3点だけで分解します。

「ノマドにおすすめの国」を並べた記事は無数にありますが、初期費用の実額と、半年を超えたときに何が起きるかまで書いたものは多くありません。この記事の判断軸は1つです。「その国に、いくら払って、何日いられて、何日を超えると別の話になるのか」。ここだけを詰めます。

この記事でわかること

  • 5カ国の滞在可能日数と、ビザに実際に払う金額(申請料・到着ビザ代・延長代)
  • 183日(タイは180日)を超えると発生する、税務居住者という別の論点
  • 回線は国ではなく都市・宿単位で決まるという前提と、都市名レベルの選び方
  • バリの次にインドネシア国内で長期滞在する場合の、ロンボクという選択肢と我慢する点

結論

3ヶ月までならマレーシア(90日免除・費用ゼロ)、半年以上ならタイのDTV(US$340・1回180日)が制度面で最短距離です。インドネシアに残るなら、到着ビザは有料(Rp50万)で免除は使えないという前提から計画を立ててください。

目次

この記事の立ち位置|どこまでが公開情報で、どこからが現地の話か

先に、情報源の非対称性を開示します。タイ・マレーシア・ベトナム・フィリピンに関する数値は、各国の入国管理当局・在外公館・政府機関が公開している公式情報のみを根拠にしています。個人ブログやノマド系まとめメディアは根拠にしていません。一方、ロンボク島セコトンの通信・電源・生活の記述には、私たちが現地で宿泊施設を運営する立場からの一次情報が入っています。「他国は公開情報ベース、ロンボクだけは現地の一次情報」という非対称があることを前提に読んでください。逆に言えば、ロンボク以外について私たちは現地在住者ではないので、公式に書かれていないことは書きません。

注意|法的・税務の助言ではありません

この記事はビザおよび税務に関する助言ではありません。「リモートワーカー」向けの在留資格であっても、どこまでの活動が就労とみなされるか、また課税関係がどうなるかは国・制度・個人の状況によって異なります。申請条件や納税義務については、必ず該当国の入国管理当局・税務当局または大使館の公式情報で確認し、必要に応じて税理士・行政書士・移民弁護士にご相談ください。

国選びは、まず「ビザに払う金額」で決まる|5カ国比較

どれだけ回線が良くても、滞在許可がなければそこにいられません。そして意外に見落とされるのが、入国するだけで実際にお金がかかる国とかからない国があることです。まず5カ国の滞在日数と、渡航者が実際に払う費用を並べます。金額はいずれも2026年8月14日時点で各国公式情報から確認したものです。

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観光目的の滞在可能日数入国時に払う実費ノマド・長期滞在向けの公式制度と費用
タイ60日(2026年3月時点のタイ国政府観光庁公式)。
2026年5月19日に内閣が30日への短縮を承認済み(下記※)
無料(ビザ免除)Destination Thailand Visa(DTV):有効期間5年、1回の入国で最長180日+現地で180日延長可。申請料は在外公館により異なり、在ホーチミン・タイ王国総領事館の公式案内ではUS$340。財政証明として50万バーツ以上
マレーシア90日(マレーシア政府観光局公式)無料(ビザ免除)DE Rantau Nomad Pass:3〜12ヶ月の就業訪問パス+1回の更新(12ヶ月)で通算最大24ヶ月。申請料RM1,080(同行家族は1名RM540)+入国管理パス料(3ヶ月ごとRM90〜1年RM360)。年収要件はIT・デジタル人材はUS$24,000以上、それ以外の職種はUS$60,000(月US$5,000)以上
ベトナム45日(延長不可、在ベトナム日本国大使館公式)無料(ビザ免除)ノマド向け制度なし(2026年8月時点)。45日を超えるなら最長90日の電子ビザ(有料・一次/数次あり)が別制度として存在し、これも超えるなら就労・投資等の別区分が必要
インドネシアビザ免除の対象外。到着ビザ(VOA/e-VOA)で30日+現地で1回30日延長=最大60日Rp500,000(30日・在インドネシア日本国大使館公式)+延長Rp500,000(移民局公式)リモートワーカービザ(E33G):インドネシア移民局が公式に運用。海外の雇用主から報酬を得る人が対象で、収入・残高の証明水準や費用は移民局公式ページで要確認
フィリピン30日(フィリピン大使館東京公式、現地で延長可)無料(ビザ免除)。延長時は移民局所定の手数料デジタルノマドビザ(DNV):大統領令EO86(2025年4月24日署名)で創設。最長1年・同期間の更新可。ただし「フィリピン人にDNVを発給している国の国民であること」(相互主義)が要件のため、日本国籍者が対象になるかは要確認

※タイについて:2026年3月時点のタイ国政府観光庁(公式)の案内は60日ですが、2026年5月19日にタイ内閣が日本を含む54カ国・地域を対象に30日への短縮を承認したとジェトロが報じています。内務省告示が官報に掲載された15日後に発効する予定で、本稿執筆時点(2026年8月14日)では施行日は確定していません。渡航前に必ずタイ王国大使館・領事館の最新情報を確認してください。

この表でいちばん効いてくるのはインドネシアの行だけが「無料」でないことです。日本国籍者はインドネシアのビザ免除対象ではなく(免除はASEAN10カ国の国民が対象)、到着ビザRp500,000(2026年8月時点で日本円にしておよそ4,500〜5,000円)を必ず払います。60日いるなら延長分と合わせてRp1,000,000。金額としては大きくありませんが、「バリに行くのと同じ感覚で3ヶ月」は制度上できないという点が重要です。

タイ DTV 申請料

US$340

在ホーチミン総領事館の公式案内。
在外公館により異なります

マレーシア DE Rantau

RM1,080

申請料。別途パス料
RM90〜360

インドネシア 到着ビザ

Rp50万

30日。延長も同額
(合計最大60日)

タイ・マレーシア・ベトナム・フィリピン

0円

観光ビザ免除の範囲内なら
入国時の実費なし

いずれも2026年8月14日時点で各国公式情報から確認した金額です。制度・料金は変更されることがあります。

収入要件も、実は「取れる/取れない」を分ける現実的な線です。マレーシアのDE Rantauは、IT・デジタル分野の職種であれば年収US$24,000以上と、想像より低い水準に設定されています(MDEC公式FAQ)。IT系フリーランスやリモート勤務のエンジニアであれば射程に入る人が多いはずです。一方、IT・デジタル以外の職種はUS$60,000(月US$5,000)以上が求められます。この二段構えを知らずに「US$60,000は無理だ」と諦めてしまうのは、いちばんもったいない誤解です。タイのDTVは収入ではなく資産で見る制度で、50万バーツ以上の財政証明が必要になります。

フィリピンのデジタルノマドビザは、2025年4月24日に署名された大統領令EO86で創設され、最長1年・同期間の更新が可能とされています。ただし「申請者の国がフィリピン人に対して同等のビザを発給していること」という相互主義が要件です。日本はデジタルノマド向けの査証制度を持たないため、日本国籍者が対象になるかは現時点で読み切れません。フィリピンを候補に入れるなら、まずここを在フィリピン日本国大使館またはフィリピン移民局に確認するところから始めてください。

以上を、制度上どれくらい長く拠点にできるかと、制度そのものの整備度で整理すると次のようになります。

図1:5カ国 制度上の滞在上限 × 制度の整備度 各国公式情報にもとづく整理(2026年8月14日時点) 〜90日 (観光免除中心) 約1年 (ノマド系ビザ) 2年以上 (更新・再入国前提) 制度の整備度(運用実績) 運用が 安定 運用が 新しい ベトナム 観光免除 45日 延長不可 ノマド制度なし タイ DTV 有効5年 マレーシア DE Rantau 通算24ヶ月 インドネシア 到着ビザ30+30日 E33G(要件は 移民局で要確認) フィリピン EO86 DNV 1年 (更新可) 相互主義が要件 横軸=在留の枠組みとして使える最長期間(観光免除の上限〜ノマド系ビザ) 縦軸=制度そのものの整備度・運用実績のみ。通信や医療などのインフラは含みません ※フィリピンは2025年創設・相互主義の適用が未確定、インドネシアE33Gも運用が新しいため下段に置いています

縦軸はあくまで制度の整備度だけを表しています。インドネシアが下段にあるのは通信環境の話ではなく、E33Gの運用がまだ新しく、公開情報だけでは要件が読み切りにくいという意味です。3ヶ月を超える滞在を計画するなら、制度が最も枯れているタイとマレーシアから検討するのが現実的、というのがこの図の結論です。

183日を超えると、ビザではなく税務の話になる

ノマドの記事でいちばん抜け落ちやすいのがここです。多くの国は「1年のうち183日以上その国にいた人」を税務上の居住者として扱います。タイの場合、歳入局(Revenue Department)が公式に「1暦年のうち通算180日を超えてタイに滞在する者」を居住者と定義しています。居住者になると、タイ国内所得だけでなく、タイに持ち込んだ国外所得も課税対象になります。

つまり、タイのDTVは1回の入国で180日滞在できる設計ですが、そこから延長して180日を超えた瞬間に、ビザの話ではなく税金の話に切り替わるということです。DTVの「1回180日」という数字は、偶然この線と重なっています。半年を超えて同じ国にいるつもりなら、出発前に次の3つを確認してください。

  • 滞在先の国の居住者判定基準(日数の数え方は国により異なります)
  • 日本側の住民票・非居住者判定をどうするか(出国届を出すかどうかで扱いが変わります)
  • 日本とその国との租税条約で、二重課税がどう調整されるか

この3点は個人の状況で答えが変わるため、記事で断定できる領域ではありません。ただ、「183日」という数字を知らずに1年の予定を組むのと、知ったうえで滞在を2カ国に割るのとでは、後から発生する手間がまったく違います。半年以上を1カ国で過ごす計画なら、税理士への一度の相談を旅の初期費用に含めておくことをおすすめします。

滞在期間から選ぶ|1ヶ月・3ヶ月・半年・それ以上

「どの国がいいか」より先に「自分は何ヶ月いたいのか」を決めると、選択肢は自動的に絞られます。

図2:滞在予定期間から選ぶ、国とビザ 2026年8月14日時点の公式情報にもとづく目安 1ヶ月以内 費用ほぼゼロ タイ・マレーシア・ベトナム・フィリピンは ビザ免除で入国でき、実費はかかりません。 インドネシアのみ免除の対象外で、 到着ビザ Rp500,000 の取得が必須です。 1〜3ヶ月 まずマレーシア 3ヶ月を免除だけで収められるのはマレーシア(90日)。 タイは免除だと60日までで3ヶ月に届かず、 DTV取得か一度の出国が必要になります。 ベトナムは45日超で電子ビザ(最長90日)へ切替。 3ヶ月〜半年 タイDTVが有利 観光免除では届かない期間です。 タイはDTV(US$340)で1回180日まで滞在可能。 インドネシアは到着ビザでは最大60日のため、 E33G等の在留資格の検討が必要になります。 半年〜 それ以上 税務も同時に ノマド系の在留資格が前提になります。 タイDTV・マレーシアDE Rantau・インドネシアE33G。 同時に「1年で183日(タイは180日)を超えると 税務居住者になる」線を必ず確認してください。 ※日数・費用はいずれも各国公式情報にもとづく2026年8月14日時点の値です

ここで、いま動いている変数を1つだけ先回りして書いておきます。タイの観光ビザ免除が60日から30日に短縮された場合、「1〜3ヶ月の滞在先の第一候補」は自動的にマレーシアに移ります。30日では1ヶ月の滞在でも余裕がなく、タイを選ぶなら最初からDTV(US$340)を取る前提になるためです。逆にマレーシアは90日免除・実費ゼロのまま変わりません。タイに気持ちが傾いている方は、渡航予定日の1〜2ヶ月前にタイ王国大使館の案内を一度見て、30日化が施行されていたら計画を組み替える、と決めておくと安全です。

回線は「国」ではなく「都市と宿」で決まる

ノマド記事は回線を国単位で語りがちですが、これは実態に合っていません。同じインドネシアでもジャカルタとロンボクの村では別世界ですし、同じバンコクでも宿のWi-Fiがルーター1台の共有回線なら会議は落ちます。回線を国のランキングで選ぶのをやめて、「どの都市に座るか」「その宿の回線構成は何か」の2段階で決めるほうが、失敗が減ります。

都市名レベルで言えば、オンライン会議を毎日入れる働き方なら、バンコク・チェンマイ・クアラルンプール・ホーチミン・ジャカルタ・バリ島チャングーといった、コワーキングスペースが集積している都市圏を選ぶのが定石です。これらは選択肢が多いぶん、宿の回線が外れでも避難先があります。逆に地方・離島は、宿の回線が唯一の生命線になるため、予約前に「回線の種類(光か、モバイル回線か)」「同時利用者数」「発電機やUPSの有無」の3点を宿に直接聞くべきです。この3つを聞くだけで、事故の大半は避けられます。

POINT

日本との時差は、タイ・ベトナム・インドネシア西部(ジャカルタ)が−2時間、マレーシア・フィリピン・インドネシア中部(バリ・ロンボク)が−1時間です(いずれもサマータイムなし・通年同じ)。日本の顧客と仕事をするなら−1時間の国のほうが朝の会議を入れやすく、−2時間の国は午前中に自分の作業時間を作りやすい、という違いが出ます。

私たちが運営するロンボク島セコトンについては、都合の良いことを書かずに正直にお伝えします。セコトンはコワーキングスペースが集積していないエリアで、島内でその種の施設が比較的あるのはクタ・ロンボク周辺です。カフェを何軒か回って作業場所を選ぶ、という都市型の働き方はセコトンでは成立しません。停電も起こり得ます。通信キャリアの選び方や電源の備えはロンボク島のSIM・Wi-Fi・ワーケーション事情に詳しくまとめています。

🏝️ セコトン現地からのひとこと

セコトンで数ヶ月働くことを考えている方には、私たちは必ず「通信手段を一本化しないでください」とお伝えしています。SIMは1社に絞らず、モバイルバッテリーは大容量のものを1つ、重要な会議は日中に寄せる。この3つだけで体感がかなり変わります。なお、私たちはセコトンでのキャリア別・時間帯別の通信速度をまだ体系的に実測できておらず、「快適です」と断言できる段階ではありません。計測が取れ次第この記事を更新します。(2026年8月時点・現地メンバー)

回線の安定性という一点だけで比べれば、バンコクやクアラルンプールのような大都市に軍配が上がります。これは現地で宿を運営している私たちの正直な評価です。同じく、医療アクセスの充実度でも大都市には及びません。長期滞在で体調を崩したときにどこへ何分で行けるかは死活問題なので、島側を選ぶなら緊急移送に対応した保険への加入を強くおすすめします。ロンボクの医療体制はロンボク島の病院・保険ガイドにまとめています。

バリの次を探しているなら|インドネシアに残るという選択

ここまで読んで「制度で見るならタイかマレーシアか」と思われたなら、それは正しい読み方です。制度の枯れ具合と初期費用のゼロ円という点で、この2カ国は他の3カ国より明確に上です。その上で、それでもインドネシアに残る理由がある人に向けて、最後に1節だけ書きます。

バリ島を一度経験した人が次に感じるのは、たいてい「良かったけれど、人が多かった」です。チャングーやウブドは、ノマドの集積地であるがゆえに家賃も相場も上がり続けています。同じインドネシアで、時差も文化も食事もほぼ同じまま、混雑と家賃だけを下げるという選び方があります。それがロンボクです。バリとロンボクの違いはバリ島とロンボク島を徹底比較で、現地の物価水準はロンボク島の旅行費用ガイドで、長期で腰を据える場合の具体像はロンボク島での長期滞在・二拠点生活ガイドで扱っています。

ただし、インドネシアを選ぶということは到着ビザが有料で、免除が使えず、60日で一度リセットがかかる制度を受け入れるということでもあります。3ヶ月以上を1回の滞在で通したいなら、E33Gなどの在留資格を先に調べる。それが面倒なら、60日でマレーシアやシンガポールに出て入り直すか、そもそもマレーシアを拠点にしてロンボクへは2〜3週間ずつ通う。この判断は、制度を知ってからでないとできません。

都市で働くか、島で暮らすか

最後に、国よりも先に効いてくるかもしれない軸を1つ置きます。都市に座るか、島に座るかです。何が良くて何を我慢するのかを、定性評価で正直に並べます。

図3:都市で働くか、島で暮らすか ◎=優位/○=ふつう/△=弱い の3段階による定性評価です 項目 都市(バンコク・クアラルンプール等) 島(ロンボクなど) 家賃の安さ 回線の安定度 医療アクセス 静けさ・集中しやすさ 仕事仲間との出会い ※金額や速度の実測値ではなく、本文で述べた傾向を3段階で整理したものです

この5項目のうち、自分にとって上位2つは何かを決めれば、都市か島かはほぼ自動的に決まります。回線と医療が上位に来る人は、迷わず都市です。静けさと家賃が上位に来る人だけが、島を検討する意味があります。両方をあきらめたくない場合は、都市に拠点を置きつつ、島には2〜3週間ずつ通う二拠点型が現実解になります。腰を据えて拠点を持つ段階まで考えるならインドネシアのヴィラ投資ガイド、ロンボク全体の地理と気候はロンボク島とは?行き方・気候・見どころ完全ガイドが入り口になります。

よくある質問

Q. タイのビザ免除は結局60日ですか、30日ですか?

2026年3月時点でタイ国政府観光庁が案内している日数は60日です。ただし2026年5月19日にタイ内閣が日本を含む54カ国・地域を対象に30日への短縮を承認しており、内務省告示が官報に掲載された15日後に発効する予定です(ジェトロ報道)。本稿執筆時点(2026年8月14日)では施行日は確定していません。30日化が施行された場合、1〜3ヶ月滞在の第一候補はマレーシア(90日免除)に移ります。

Q. インドネシアはビザなしで入れると聞きましたが?

日本国籍者はビザ免除の対象外です。在インドネシア日本国大使館の案内によれば、インドネシアのビザ免除はASEAN10カ国の国民が対象で、日本人は到着ビザ(VOA/e-VOA)Rp500,000を取得して30日、現地で1回30日延長して最大60日という扱いになります。5カ国のなかで唯一、入国そのものに費用がかかる国です。

Q. マレーシアのDE Rantauは年収US$60,000ないと無理ですか?

いいえ。MDEC公式FAQでは、IT・デジタル分野の職種(デジタルフリーランサー・独立業務請負人・リモートワーカー)は年収US$24,000以上が要件です。US$60,000(月US$5,000)はIT・デジタル以外の職種に適用される水準で、二段構えになっています。パスの有効期間は3〜12ヶ月、1回の更新で通算最大24ヶ月です。

Q. 半年以上いると税金はどうなりますか?

多くの国が「1年で183日以上」を税務居住者の目安としており、タイ歳入局は「1暦年で通算180日超」を居住者と公式に定義しています。居住者になると、その国に持ち込んだ国外所得も課税対象になり得ます。日本側の非居住者判定や租税条約との関係もあるため、半年以上を1カ国で過ごす計画なら、出発前に税理士へ一度相談することをおすすめします。

Q. ロンボク島はノマドに向いていますか?

「静かに集中したい」「混雑と家賃を下げたい」という条件には向いています。一方、回線の安定性・医療アクセス・コワーキングの選択肢では、バンコクやクアラルンプールのような都市に及びません。セコトンにはコワーキングスペースの集積がなく、島内ではクタ・ロンボク周辺に比較的施設があります。毎日オンライン会議が入る働き方であれば、都市との二拠点をおすすめします。

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まとめ|あなたが選ぶべき国は

この記事の判断軸を、そのまま結論として置きます。

  • 3ヶ月以内・費用をかけたくないマレーシア。90日免除で実費ゼロ、3ヶ月を一度も手続きなしで通せるのはこの国だけです
  • 半年前後を1カ国で腰を据えたいタイのDTV(US$340・1回180日・有効5年)。ただし180日を超えると税務居住者の話になる点をセットで確認してください
  • IT・デジタル系のフリーランスで、2年スパンで考えたいマレーシアのDE Rantau。年収US$24,000から射程に入り、通算24ヶ月まで積めます
  • バリの雰囲気が好きで、混雑と家賃だけ下げたいインドネシア(ロンボク)。ただし到着ビザ有料・最大60日という制度を前提に、回線と医療は自分で備える計画を組んでください
  • フィリピンのノマドビザを狙いたい → まず相互主義の適用可否を大使館に確認するところから。ここが未確定のまま計画は組めません

私たちは、その「島」側の当事者です。都市を何ヶ所か回ったあとで、静かに集中できる場所を探している方には、セコトンでの滞在も選択肢のひとつに加えてみてください。この記事は、ロンボク島セコトンで宿泊施設を運営する立場から書いています。タイ・マレーシア・ベトナム・フィリピンに関する記述は各国の公式情報のみを根拠にしており、私たちの現地一次情報が入っているのはロンボク島・セコトンに関する記述だけです。

SAKURA CAFEの小屋と傘、セコトンの浜

SEMELAR BEACH VILLAGE

私たちが暮らすセコトンの村に、泊まれます

ロンボク国際空港から車で約1時間10分。海辺のヴィラに泊まり、船頭の舟で島を巡り、SAKURA CAFEで夕日を見る滞在プログラム。日本語で相談できます。

最後に、この記事の書き手の立場と、根拠にした情報源を明示しておきます。ビザの記事は書き手の立場が結論を歪めやすいので、どこまでが公開情報で、どこからが私たちの一次情報なのかを、はっきり分けておきたいと考えています。

現地

Semelar Beach Village(ロンボク島セコトン)

ロンボク島セコトンで宿泊施設と滞在プログラムを運営するチームが、現地での生活・運営にもとづいて執筆・確認しています。タイ・マレーシア・ベトナム・フィリピンに関する記述は、各国の入国管理当局・在外公館・政府機関等の公式情報のみを根拠としています。

この記事が根拠にした情報(2026年8月14日確認)
  • タイ国政府観光庁(公式・日本語)観光ビザ免除の案内https://www.thailandtravel.or.jp/how-to-get-to-thailand/
  • ジェトロ(日本貿易振興機構)「タイ、観光目的滞在のビザ免除期間を30日に」(2026年6月)https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/7e09971c369ac5b4.html
  • 在ホーチミン・タイ王国総領事館(公式)Destination Thailand Visa(DTV)の案内:有効5年・1回180日・延長180日・申請料US$340・財政証明50万バーツhttps://hochiminh.thaiembassy.org/en/page/destination-thailand-visa-dtv
  • タイ歳入局(The Revenue Department, 公式)居住者の定義(1暦年で通算180日超)https://www.rd.go.th/english/6045.html
  • マレーシア政府観光局(公式・日本語)出入国情報(90日ビザ不要)https://www.tourismmalaysia.or.jp/basicinfo/03_inoutinfo.html
  • MDEC(マレーシアデジタル経済公社・公式)DE Rantau Pass FAQ:3〜12ヶ月+更新12ヶ月=通算24ヶ月、IT・デジタル人材は年収US$24,000超、申請料RM1,080https://www.mdec.my/static/pdf/derantau/DE%20Rantau%20Pass%20FAQ-Foreign.pdf
  • マレーシア・デジタル省(公式)DE Rantau Nomad Pass 対象拡大の発表(非IT職はUS$60,000/月US$5,000)https://www.digital.gov.my/en-GB/siaran/DE-Rantau-Nomad-Pass-eligibility-expanded
  • 在ベトナム日本国大使館(公式)出入国情報(観光免除45日・延長不可)https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/JP_Shuttsunyukoku.html
  • ベトナム入国管理局 電子ビザ公式ポータル(最長90日・一次/数次)https://evisa.gov.vn/
  • 在インドネシア日本国大使館(公式)ビザ取得・入国時手続き:日本はビザ免除対象外、到着ビザRp500,000(30日)、延長1回30日https://www.id.emb-japan.go.jp/visaj_10_01.html
  • インドネシア移民局(imigrasi.go.id 管轄オフィス)VOA延長の案内:延長30日・Rp500,000https://jogja.imigrasi.go.id/extending-indonesia-visa-on-arrival-101/
  • インドネシア移民局(imigrasi.go.id)E33Gリモートワーカービザ公式ページhttps://www.imigrasi.go.id/wna/permohonan-visa-republik-indonesia/e33g-visa-pekerja-jarak-jauh
  • フィリピン大使館東京(公式)短期訪問者のビザ免除入国案内(30日・延長可)https://tokyo.philembassy.net/consular-section/services/visa/visa-free-entry-for-temporary-visits/
  • フィリピン大統領令 Executive Order No.86, s.2025 原文(2025年4月24日署名・最長1年・更新可・相互主義要件)https://www.officialgazette.gov.ph/2025/04/24/executive-order-no-86-s-2025/
  • ロンボク島セコトンの通信・電源・コワーキング事情:Semelar Beach Village(現地運営者)の一次情報(2026年8月時点)
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