2026年8月時点の情報
「インドネシアは物価が安い」とよく言われますが、タイやベトナムと比べても本当に安いのか、具体的な数字で確認したいという方は多いのではないでしょうか。東南アジアの物価情報はSNSや旅行記でバラバラに語られがちで、どの国がどれだけ安いのか実際のところがつかみにくいものです。この記事では、インドネシア・タイ・ベトナムの物価を食事・交通・宿泊・通信の項目別に比較し、それぞれの物価上昇のスピードや、旅行総額の考え方まで整理してお伝えします。私たちSemelar Beach Villageはロンボク島セコトンで滞在プログラムを運営しており、日々の暮らしの物価感覚をお客様にお伝えする立場から、旅行者目線でこの比較をまとめました。
この記事でわかること
- ✓インドネシア・タイ・ベトナムの物価を食事/交通/宿泊/通信で比較した目安
- ✓3カ国それぞれの物価上昇スピードの違い
- ✓「物価が安い」だけでは測れない旅行総額の考え方
- ✓ロンボクがこの3カ国比較の中でどう位置づけられるか
結論
インドネシア・タイ・ベトナムはいずれも日本よりかなり物価が安い国ですが、安さの度合いと物価上昇のスピードには差があります。旅行全体の費用は現地物価だけでなく渡航費や滞在日数の影響を強く受けるため、単純な物価ランキングだけで行き先を決めるのは早計です。
インドネシア・タイ・ベトナムの物価を項目別に比較
海外の生活費データベースNumbeoの2026年データをもとにした試算では、日本の生活費指数を47.5とした場合、タイは38.0(日本の約8割)、ベトナムは26.4(約56%)、インドネシアは26.1(約55%)となっています。インドネシアとベトナムがほぼ横並びで最も物価が低く、タイはこの3カ国の中ではやや高めという位置づけです。ただし「食事」「交通」「宿泊」「通信」といった項目ごとに見ると、順位が入れ替わる部分もあります。旅行者目線での目安を以下にまとめました。
図:生活費指数の比較(Numbeo 2026年データ)
Numbeoの生活費指数(2026年データ)にもとづく。日本を基準とした相対値。
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| 項目 | インドネシア | タイ | ベトナム |
|---|---|---|---|
| 食事(1食の目安) | 300〜800円 | 400〜1,000円 | 300〜700円 |
| 市内交通(1回の目安) | 150〜400円 | 200〜500円 | 100〜300円 |
| 宿泊(1泊・エコノミー〜ミドル) | 2,000〜6,000円 | 3,000〜8,000円 | 2,000〜6,000円 |
| 通信(観光用SIM/eSIM・1週間程度) | 500〜1,500円 | 500〜1,500円 | 500〜1,500円 |
※一般的な旅行ガイド情報にもとづく目安です(2026年8月時点)。時期・店舗・交渉により変動します。
いずれの国も、日本のガイドブックに載っているような観光レストランやリゾートエリアでは価格が跳ね上がります。逆にローカル食堂や庶民の使う交通手段を選べば、表の下限に近い金額で過ごせることも珍しくありません。物価が安い国ほど、この「観光地価格」と「ローカル価格」の差が大きくなる傾向がある点も覚えておくとよいでしょう。安い国を探すこと自体の考え方は物価が安い国の選び方の記事でも整理しています。
項目ごとの傾向を見ると、タイはBTSやMRTといった都市鉄道インフラが整っているぶん、移動そのものは効率的ですが、その利便性が価格にも反映されやすい国です。ベトナムは配車アプリでのバイクタクシーが日常の足として定着しており、短距離移動のコストパフォーマンスは3カ国の中でも際立って良好です。インドネシアは国土が広く、都市部と地方で物価差が大きいのが特徴で、ジャカルタなどの都市は観光地価格に近づきますが、ロンボクのような地方では表の下限をさらに下回ることもあります。同じ「物価が安い国」でも、どの項目にお金を使うかによって体感の差は変わってきます。
図:項目別の物価比較(インドネシア vs タイ)
物価の「上昇スピード」は国によって差がある
3カ国とも現時点では日本よりかなり安いのですが、「今安いから今後も安い」とは限りません。ジェトロの発表によると、インドネシアの消費者物価指数は2025年12月時点で前年同月比+2.92%、2026年3月には+3.48%となっており、中央銀行の目標圏内ではあるものの、じわじわとした物価上昇が続いています。ベトナムはIMFの推計で2024年が+3.62%、2025年が+3.31%と、インドネシアと近い水準の物価上昇が続いている国です。一方でタイはIMFの推計で2024年が+0.40%、2025年は-0.13%とほぼ横ばい、わずかにデフレ気味という結果になっており、3カ国の中では物価上昇のペースが最も緩やかです。
つまり、絶対的な物価水準ではタイがやや高めですが、上昇スピードで見るとタイが最も落ち着いており、インドネシアとベトナムは水準こそ低いものの年3%前後のペースで値上がりが続いている、という構図です。特に人気の観光エリアは、国全体の統計以上に値上がりが早く感じられることもあります。「今が一番安い」と考えて動くよりも、行き先ごとの物価の伸び方を頭の片隅に置いておくと、旅行計画が立てやすくなります。
物価上昇の背景は国によって事情が異なります。ベトナムやインドネシアは経済成長が続いており、賃金や需要の伸びとともに物価も緩やかに上がっていく局面にあります。一方タイは近年、国内消費の弱さが指摘されており、これが物価の伸びを抑える一因になっていると考えられます。旅行者にとっては「物価が上がりにくい国=経済が元気がない国」という側面もあるため、安さだけを基準に一喜一憂するのではなく、その国の状況を含めて捉えておくとよいでしょう。
旅行スタイル別に見た向き不向き
物価の比較だけでなく、旅行スタイルによっても向き不向きは変わります。都市観光やグルメ、ショッピングを中心に効率よく回りたい方には、鉄道網とインフラが整ったタイのバンコクが便利です。物価の安さを最優先しつつ活気のある都市の雰囲気も楽しみたい方には、配車アプリで移動しやすいベトナムのホーチミンやハノイが向いています。そして、都市の便利さよりも自然の中でゆっくり過ごしたい、混雑を避けたいという方には、インドネシアの中でもロンボクのような地方エリアが選択肢になります。どの国が「一番安いか」ではなく、「自分の旅の目的にどの国の物価構造が合っているか」で考えると、比較の意味がより実用的になります。
旅行総額では「渡航費」と「滞在日数」が効く
現地の物価だけを見て行き先を決めると、旅行全体の費用感を見誤ることがあります。タイの首都バンコクやベトナムのホーチミン・ハノイには日本から直行便が就航しており、比較的アクセスしやすい行き先です。一方でインドネシアは国土が広く、バリ島には直行便がある一方、ロンボク島のように直行便がないエリアも多く、渡航費や移動時間は行き先によって大きく変わります。現地で使う金額がどれだけ安くても、渡航費が高ければ短期旅行の総額は割高になりますし、逆に滞在日数を延ばすほど、現地物価の安さの恩恵は大きくなっていきます。両替や支払い方法によっても実質的なコストは変わるため、両替・支払いの基本もあわせて確認しておくと安心です。
また、両替のタイミングやカード決済の使い分けによっても、実質的な旅行コストは数%単位で変わってきます。空港での両替はレートが不利になりやすく、市中の両替所やクレジットカードのタッチ決済を組み合わせるほうが有利になる場面が多い、というのは3カ国に共通する傾向です。物価そのものが安い国ほど、こうした数%の差が旅行全体の満足度に与える影響は相対的に小さくなりますが、長期滞在になるほど積み重なっていく金額でもあるため、事前に決済手段を整理しておくことをおすすめします。
注意
- 「物価が安い=旅行が安い」ではない:短期旅行ほど渡航費の比重が大きく、現地物価の安さだけでは総額は決まりません。
- 直行便の有無を必ず確認:乗り継ぎが必要な行き先は移動時間もコストも増えます。
ロンボクの位置づけ―静かな島で、村の暮らしの物価を体験する
私たちが拠点を置くロンボク島セコトンは、バリ島の隣にありながら観光地化が進んでいないエリアです。1日あたりの費用目安は、バックパッカースタイルで1,500〜3,500円、ホテル・ヴィラを使うミドルクラスの滞在で6,000〜13,000円ほどが目安です(時期や交渉により変動するため、予約時に最新情報をご確認ください)。ロンボクの費用・物価で紹介している通り、現地の物価だけで見ればインドネシアの中でも安めの部類に入ります。ただし正直にお伝えすると、日本からロンボクへの渡航費は決して安くありません。直行便がなくバリ経由やジャカルタ経由での乗り継ぎが必要で、往復航空券は10万円前後〜が目安です。つまり「行くまでは普通、着いてからが桁違いに安い」というのがロンボクの実際の姿で、だからこそ滞在が長いほど得をする仕組みになっています。バリ島の物価動向はバリ島の物価2026年版、ロンボクへの行き方は日本からの行き方で詳しく紹介しています。
隣島のバリと比べても、ロンボクは観光地としての開発が進んでいないぶん、物価の上昇スピードが緩やかな地域が多く残っています。バリの人気エリアではすでに観光地価格が定着している一方、ロンボクの村に近いエリアでは今も現地の人たちと同じ物価で食事や買い物ができる場面が少なくありません。この記事で見てきたインドネシア・タイ・ベトナムの比較の中でも、ロンボクは「物価の安さ」と「観光地化されていない静けさ」を両方兼ね備えた、やや特殊な立ち位置にあると言えます。
🏝️ セコトン現地からのひとこと
セコトンで暮らしていると、村の食堂でナシチャンプル1食が100〜150円ほどで済むこともあり、価格に驚かれるお客様がよくいらっしゃいます。ただしこれは観光地化されていない集落ならではの感覚で、クタなど観光エリアに近づくほど価格は上がっていきます。タイやベトナムの都市部のような便利さはロンボクにはありませんが、その分「村の物価」で暮らせる場所は、東南アジアの中でも少しずつ希少になってきていると感じています。
よくある質問
Q. インドネシア・タイ・ベトナムで一番物価が安いのはどこですか?
生活費指数で見るとインドネシアとベトナムがほぼ同水準で最も低く、タイはやや高めです。ただし食事や交通など項目によって順位が入れ替わることもあるため、旅行スタイルに合わせて確認するのがおすすめです。
Q. 物価が安い国ほど旅行費用も安くなりますか?
必ずしもそうとは限りません。日本からの渡航費や滞在日数の影響が大きいため、現地物価が安くても渡航費が高ければ総額は膨らみます。逆に長期滞在するほど現地物価の安さが効いてきます。
Q. インドネシアの物価は今後も上がり続けますか?
2025年後半から2026年にかけて、消費者物価指数は前年比2%台後半〜3%台半ばで推移しており、緩やかな上昇が続いています。人気の観光エリアほど値上がりのペースが早く感じられる傾向もあるため、時期や交渉によって変動する点は念頭に置いておくとよいでしょう。
Q. 短期旅行と長期滞在では、どちらが物価の安さを実感しやすいですか?
長期滞在の方が実感しやすい傾向があります。短期旅行は渡航費の割合が大きく、現地物価の安さが総額に占める割合は相対的に小さくなるためです。
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まとめ
インドネシア・タイ・ベトナムは、いずれも日本より大幅に物価が安い国です。絶対水準ではインドネシアとベトナムが最も安く、タイはやや高めですが、物価上昇のスピードで見るとタイが最も緩やかで、インドネシアとベトナムは年3%前後のペースで値上がりが続いています。「今」の物価だけでなく、この先の伸び方まで含めて考えると、行き先選びの精度が上がります。
そして忘れてはいけないのが、旅行総額を決めるのは現地物価だけではないということです。渡航費と滞在日数を含めて初めて、本当のお得さが見えてきます。私たちが拠点を置くロンボクは、まさに「渡航費は安くないが、滞在が長いほど現地物価の安さが効いてくる」行き先です。もし物価だけでなく、静かな島での暮らすような滞在に興味があれば、ぜひ一度セコトンを検討してみてください。

この記事が根拠にした情報
- プライシー「【2026年最新】物価が安い国ランキング|日本比で徹底比較」(Numbeo 2026年データ)https://www.pricey.jp/web/articles/4160
- ジェトロ「2025年12月の消費者物価指数上昇率は前年同月比2.92%」https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/03/f8a661346c1746e9.html
- ジェトロ「3月の消費者物価指数上昇率は前年同月比3.48%」https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/04/3ae177dd3384a60e.html
- 世界経済のネタ帳「タイのインフレ率の推移」(IMF推計)https://ecodb.net/country/TH/imf_inflation.html
- 世界経済のネタ帳「ベトナムのインフレ率の推移」(IMF推計)https://ecodb.net/country/VN/imf_inflation.html
- kamome.asia「上海、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、インドの生活費【2026年版】」https://kamome.asia/contents/kamomebiz/39359.html
- SMBC信託銀行プレスティア「【2026年版】タイ・バンコクの物価は?」https://www.smbctb.co.jp/globalcompass/travel/thailand-prices/
- JTB「ベトナムの旅行費用っていくらかかる?」https://www.jtb.co.jp/news/list/kaigai/asia/vietnam/guide_0039

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