ロンボク島でダイビングライセンスを取る|費用と日程

2026年8月時点の情報です。「バリでシュノーケリングはしたことがあるが、この機会にダイビングライセンス(Cカード)を取ってみたい」という方に向けて、この記事はロンボク島・ギリ諸島でのライセンス取得を実務の手順とお金の話に絞ってまとめました。島全体の基本情報はロンボク島完全ガイド、スポット紹介や体験ダイビングとの違いはロンボク島シュノーケリング・ダイビング完全ガイドに譲り、ここでは「取ると決めた人が、何をどう選び、何日・いくらかかり、何に気をつけるべきか」だけを扱います。

目次

この記事でわかること

  • 結論:2026年8月時点で公式サイトに料金を掲載しているギリ諸島の3店(Manta Dive/Gili Air Divers/Blue Marlin ギリ・メノ)は、オープンウォーターダイバーがいずれもRp6,900,000(約61,000円)の一点でした。ロンボク本島側(センギギ/シレビーチ)はRp6,395,000〜6,400,000(約56,000円)とやや安く、日本国内の相場(5万〜8万円台)と同程度の水準です
  • PADIとSSIの違いと、ショップ選びで実際に見るべき点(安全体制・器材・少人数制・日程変更への対応)
  • オープンウォーター取得の3日間の具体的な流れ(学科・限定水域・海洋実習)と、料金に含まれない費用
  • 受講前に必要な健康申告(PADIの現行「Diver Medical Participant Questionnaire」10項目)と、医師の評価が必要になる条件
  • 減圧症が起きたときの動き方と、取得直後に飛行機に乗ってよいか(浮上時刻から18時間という考え方)

Cカードとは何か

Cカード(Certification Card、認定証)とは、決まった団体が定める学科・実技のカリキュラムを修了した人に対して発行される、スクーバダイビングの技能認定証です。日本の運転免許のような「国家資格」ではなく、PADIやSSIなど、それぞれの民間指導団体が独自に発行する民間資格です。取得すると、世界中のダイビングショップでレンタル器材を借りたり、認定深度までのファンダイブに参加したりできるようになります。

指導団体は世界に複数存在しますが、レジャーダイビングの現場で最も広く流通しているのはPADI(Professional Association of Diving Instructors)とSSI(Scuba Schools International)です。ギリ諸島・ロンボクのダイビングショップも、この2団体のいずれか、あるいは両方に対応しているケースがほとんどです。

PADIとSSI、何がどう違うのか

「どちらを取ればいいのか」は初めての人が必ず迷うポイントです。技能として身につく内容そのものに大きな差はありませんが、次の点で違いがあります。

  • 世界的な認知度:PADIは業界最大手で、世界のダイビングショップ・指導者数ともに最も多いとされる団体です。「とりあえずPADIにしておけば通じないショップはほぼない」という安心感があります。SSIも国際的に広く認められた団体で、実際に今回確認したギリ諸島のショップにもSSI対応店が複数ありました
  • 教材の形式:どちらもオンラインのeラーニング(デジタル教材)が主流で、渡航前に自国で学科部分を進めておくことができます
  • 料金差の実態:2026年8月時点でギリ諸島・ロンボクの各社公式サイトを確認した限り、SSIのコース(Manta Dive/Gili Air Divers)はRp6,900,000、PADIのコース(Blue Marlin Diveギリ・メノRp6,900,000、同ロンボク・センギギRp6,400,000、Terumbu Divers Rp6,395,000)と、団体による一律の差は確認できませんでした。差はショップ・エリアによるものと考えたほうが実務的です
  • 再受講のしやすさ:どちらの団体も世界中で継続教育(アドバンス以上のステップアップ)が受けられます。日本に帰国後、続きのコースを受けたい場合は、自分が取得した団体に対応する日本国内のショップがあるかを事前に確認しておくと安心です

迷った場合の現実的な判断基準は、「団体名」ではなく「そのショップの安全記録・インストラクターの質・スケジュールの柔軟性」です。この基準は後述します。

オープンウォーター取得の流れ:3日間で何をするか

ギリ諸島・ロンボクのショップが公開している標準的なカリキュラムを整理すると、オープンウォーターダイバーコースは次の3つのパートで構成されます。

  1. 学科(理論):ダイビングの物理・生理(水圧、浮力、耳抜きなど)、器材の使い方、安全な潜水計画の立て方を学びます。多くのショップが渡航前のeラーニングでの事前学習を推奨しており、現地での拘束時間を短縮できます
  2. 限定水域講習(プール、または波・流れのない浅い保護されたエリア):実際の海に入る前に、マスクの水抜き、レギュレーターのリカバリー、中性浮力の取り方といった基本スキルを、足の着く安全な環境で反復練習します
  3. 海洋実習(オープンウォーターダイブ):合計4本の海洋ダイブを行い、限定水域で練習したスキルを実際の海で再現します。深度は段階的に増え、12m前後から最大18m前後まで潜ります

日数について、2026年8月時点で確認したギリ諸島・ロンボクの3社(Manta Dive Gili Trawangan、Blue Marlin Dive、Gili Air Divers)の公式サイトは、いずれも「3日(3 days)」表記でした。「学科未了だと4日かかる」という説明を公式に明記しているショップは確認できていません。ただし現地で学科から始める場合は延びる可能性があるため、日程には最低でも1日の予備を見ておくことをおすすめします(実際の必要日数は申し込み前にショップへ直接ご確認ください)。

認定そのものに有効期限はなく、PADI公式も「認定は生涯有効」としています。ただし同時に「6〜12か月以上ダイビングから離れる期間を避けること」を推奨しています。ブランクがある場合、PADI ReActivateなどのリフレッシュ講習を案内されることがあります(PADI公式ブログは、ReActivateの水中セッションは任意としつつ、ブランクが長い人や経験本数20本未満の人には受講を勧めています)。

1日の流れのイメージ(現地開始・オンライン学習未了の場合)

  • 1日目:学科(オンライン教材の続きまたは対面講義)+限定水域講習の一部
  • 2日目:限定水域講習の続き+海洋実習1〜2本
  • 3日目:海洋実習の残り(合計4本を消化)+認定手続き
  • 予備日:海況不良やスキル反復で1日ずれ込む場合に備える

上記の3日間の流れを図でも示します。学科・限定水域講習・海洋実習・認定という4つの工程が、どのタイミングで積み上がっていくかが一目でわかります。

図:オープンウォーター取得3日間の流れ

1 1日目 学科(オンライン教材の続きまたは対面講義)+限定水域講習の一部 2 2日目 限定水域講習の続き+海洋実習1〜2本 3 3日目 海洋実習の残り(合計4本)+認定手続き + 予備日 海況不良やスキル反復で1日ずれ込む場合に備える 各社公式サイトの表記はいずれも「3日」です。学科が未了のまま現地入りすると日数が延びる可能性があるため、予備日を1日見ておくと安心です(2026年8月時点)。

受講に必要な泳力と年齢

PADI公式FAQによると、オープンウォーターダイバーコースの受講には次の水中スキルの確認が含まれます。

  • 200m(マスク・フィン・スノーケルを使う場合は300m)を止まらずに泳ぐ。タイム制限はなく、泳法も自由です
  • 10分間、浮いた状態または立ち泳ぎを維持する

最低年齢は10歳で、15歳未満はジュニア・オープンウォーターダイバーとしての認定になります。

費用の目安:ギリ諸島は横並び、本島側がやや安い

「海外だから圧倒的に安い」というイメージを持たれがちですが、2026年8月時点で公式サイトに料金を公開しているショップを確認すると、次のような水準でした。1ショップの数字を鵜呑みにせず、必ず複数ショップの最新公式情報で確認してください。

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ショップ拠点(島/本島)団体料金(4海洋ダイブ)公式表記の日数円換算目安
Manta Diveギリ・トラワンガン(島)SSIRp6,900,0003日約61,000円
Gili Air Diversギリ・エア(島)SSIRp6,900,000/オンライン予約10%割引適用で約Rp6,210,0003日約61,000円/割引後 約55,000円
Blue Marlin Diveギリ・メノ(島)PADIRp6,900,0003日約61,000円
Blue Marlin Diveロンボク・センギギ(本島)PADIRp6,400,0003日約56,000円
Terumbu Diversシレビーチ(本島/ギリまでボート約10分)PADIRp6,395,000公式に日数の記載なし・要問い合わせ約56,000円

つまり、ギリ諸島の島に拠点を置く3店はいずれもRp6,900,000(約61,000円)で横並び、価格差が出るのはロンボク本島側のショップ(約56,000円)です。島に泊まって通うか、本島に泊まってボートで通うかは宿と移動の組み方が変わるため、料金だけでなく拠点の場所も確認してください。

※Blue Marlin Diveの2件は同一チェーンの拠点違いです。同社公式のPADIオープンウォーター料金表では、価格が掲載されているのはギリ・メノとロンボク・センギギのみで、ギリ・トラワンガン、ギリ・エア、ロンボク・クタ、コモドの各拠点はN/A表示のため、直接の問い合わせが必要です。

※円換算は2026年8月7日時点のレート(Rp10,000=約88.7円)で概算しています。為替は日々動くため、申し込み時点のレートでご確認ください。

※各社とも期間限定の割引価格を出すことがあります。実際、Terumbu Diversは公式サイトで「2026年8月2日まで Rp5,600,000」というプロモ価格を掲示していました(通常価格Rp6,395,000から1割以上の差)。掲載価格は固定の「相場」ではなく、時期によって動くものと考えてください。

※Terumbu Diversは2名以上の同時申し込みでRp450,000(約4,000円)の割引を公式に案内しています。

比較のために書いておくと、「格安エリア」として名前の挙がるタイ・コ・タオでも、ショップ公式の価格は12,950バーツ(約62,000円前後・為替により変動、Black Turtle Dive公式)といった水準です。 ギリ諸島は決して高くありませんが、突出して安いわけでもありません。

費用に含まれないものにも注意してください。 ショップの公表価格には次の費用が別立てになっている場合があります。

  • 海洋公園利用料(マリンパークチケット):Rp100,000(約880円)。Manta Dive、Gili Air Divers、Terumbu Diversの3社が公式サイトで同額を明記しており、Gili Air Diversは「1回払いで1か月有効」としています
  • 認定料(団体への登録・カード発行手数料):ショップの見積もりに「込み」と書かれていても、内訳としては団体側への手数料が発生しています。総額に含まれているかを確認してください
  • 教材費:eラーニング教材が別売りのショップもあります
  • ダイブコンピューターのレンタル:含まれるショップと別料金のショップに分かれます
  • 食事・送迎・宿泊:コース料金とは別に発生するのが一般的です

コース料金に「含まれるもの」と「別途かかる可能性があるもの」を図で整理すると、次のようになります。

図:コース料金の内訳(含まれるもの/別途かかる可能性があるもの)

コース料金に含まれるもの 学科講習 限定水域講習 海洋ダイブ4本(インストラクター指導) ※詳細な内容はショップにより異なります 別途かかる可能性があるもの 認定料(団体登録・カード発行手数料) 教材費(教材が別売りのショップあり) 海洋公園利用料Rp100,000(約880円) ダイブコンピューターレンタル 食事・送迎・宿泊 ※料金は2026年8月時点の公式表記です

「格安」を強調するショップほど、これらの項目が見積もりから抜けていることがあるため、総額でいくらかかるかを事前に文書やメッセージで確認してから申し込むことをおすすめします。

日本で取る場合との比較

日本国内でオープンウォーターダイバーを取得する場合の費用は、公的な統計がなく、各スクールの公表値を見るしかありません。今回確認できたのは次の2社です。

  • パパラギダイビングスクールの解説ページでは「5万〜8万円台が相場」「総額では6万〜9万円が一般的」、日数は学科・プール・海洋実習を含めて4〜6日間とされています
  • mic21のPADIオープンウォーターコースは、4〜6名のグループ講習で税込54,000円、日程は「最短で3日間」と公表されています

2社の値であり、日本全国の相場を代表するものではありません。地域・季節・器材レンタルの有無で上下します。

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比較項目ロンボク島・ギリ諸島日本国内(上記2社の公表値)
料金ギリ諸島Rp6,900,000(約61,000円)/本島側Rp6,395,000〜6,400,000(約56,000円)54,000円〜、相場は5万〜8万円台・総額6万〜9万円とする解説も
日数各社公式表記は3日(連続日程が基本)最短3日〜、4〜6日間に分割するケースも
海洋実習の海況熱帯の暖かい海。海況・透明度は季節と日によって変わりますエリアにより水温が低く、ウェットスーツ以上の防寒が必要な時期も
言語英語が基本。日本語対応は店舗ごとに要問い合わせ日本語で完結

金額差はごくわずかで、費用だけを理由にロンボクを選ぶ意味はほとんどありません。判断材料になるのは「渡航のついでに連続日程で取り切れる」「暖かい海で練習できる」という条件のほうです。日本語での丁寧な説明を重視するなら日本国内、旅行の一部としてまとめて取得したいならロンボク島、というのが現実的な選び方です。

ギリ・トラワンガンとギリ・エア、ショップ環境の違い

ロンボク周辺でダイビングライセンスを取る場合、多くの人はギリ諸島(ギリ・トラワンガン、ギリ・エア、ギリ・メノ)のショップを利用します。3島の基本情報はギリ諸島完全ガイドにまとめていますが、ライセンス取得の観点では次のような傾向があります。

  • ギリ・トラワンガン:3島の中で最も観光客が多く、ダイビングショップの数も一番豊富です。選択肢が多い分、インストラクター数の多い大手ショップから小規模ショップまで幅が広いのが特徴です。詳しくはギリ・トラワンガンガイドで解説しています
  • ギリ・エア:トラワンガンよりナイトライフが控えめで落ち着いた島です。ショップの数はトラワンガンより少なめですが、少人数制を掲げるショップが見られます(Gili Air Diversは公式サイトでインストラクター1人あたり最大4名と明記しています)。静かな環境でじっくり講習を受けたい人に向いています。詳しくはギリ・エア/メノガイドで解説しています
  • ギリ・メノ:3島の中で最も静かで、ショップの数自体が少なめです

日本語対応については、2026年8月時点で「日本語で講習が受けられる」と公式サイト上で確認できたショップはありませんでした。 たとえばGili Air Diversの公式サイトは対応言語を英語・フランス語・スペイン語・インドネシア語と明記しており、日本語は含まれていません。日本語での講習を希望する場合は、申し込み前に直接メールやメッセージで日本語対応の可否を確認してください(同じショップでも日本語を話すスタッフの在籍状況は時期によって変わります)。

セコトンに泊まって講習に通うという選択

私たちはロンボク島南西部のセコトンに拠点を置いています。「セコトンに滞在しながらギリ諸島でライセンスを取れないか」と聞かれることがあるので、実務的な条件を正直に書いておきます。

  • 移動時間は片道2時間半前後を見てください。 送迎業者が公表しているギリ諸島⇄セコトンの所要は、ギリからテルック・ナレ港までスピードボートで約15分+テルック・ナレからセコトンまで陸路約2時間15分(渋滞がない場合)で、合計約2.5時間です。3日間の講習に毎日通う日程は現実的ではありません
  • 講習中はギリ諸島側に宿を取り、認定後にセコトンへ移動するのが無理のない組み方です。 講習は朝の出港に合わせて動くため、宿は港・ショップに近いほど楽になります
  • セコトン側は「取得後に静かな海で潜る」ほうに向いています。 セコトン沖の南ギリ諸島(セコトン沖)は観光客が少ない海域ですが、潮流のあるポイントが多く、講習向きというより認定後のファンダイブ向きです
  • 注意点として、セコトン周辺は現地手配のダイビングショップの数がギリ諸島側より大幅に少なく、当日申し込みは期待しないでください。 事前手配が前提になります

エリア全体の様子と宿の選択肢はセコトン完全ガイドにまとめています。

アドバンス以上へのステップアップ

オープンウォーターダイバーを取得すると、最大18m前後までの潜水が認められます。さらに深い場所や、流れのあるポイントに行きたい場合は、上位コースへのステップアップを検討します。

  • アドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー:PADI公式の説明では、必須の2本(深深度潜水・水中ナビゲーション)に加え、任意の3本を選んで合計5本のアドベンチャーダイブを行うコースです。オープンウォーターダイバー資格があれば追加の経験本数は不要で、認定深度は最大30mまで広がります。実施日数はショップにより異なるため、申し込み時にご確認ください
  • 年齢要件:フル認定は15歳以上。12〜14歳はジュニア・アドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー、10〜11歳はジュニア・アドベンチャーダイバーの扱いになります(PADI公式FAQ)
  • ロンボク島周辺でアドバンス取得後に狙えるダイブサイトの例として、より水深のあるポイントや、セコトン沖の南ギリ諸島エリアが挙げられます。潮流のあるポイントが多いため、経験本数を積んでからのステップアップが安全です

取得後、ロンボク周辺で潜れる場所

オープンウォーターダイバーを取得したら、次のようなエリアがロンボク島から狙えます。詳しいスポット紹介・料金相場はロンボク島シュノーケリング・ダイビング完全ガイドにまとめていますが、この記事の範囲でも要点だけ触れておきます。

  • ギリ諸島(トラワンガン・エア・メノ)周辺のダイブサイト:PADI公式のエリア紹介は「ウミガメはギリ諸島のダイビングのハイライトのひとつで、アオウミガメとタイマイの両方が豊富に見られる」としています。初心者でも参加しやすいポイントが複数あります
  • セコトン沖・南ギリ諸島:観光客の少ない静かな海域で、私たちの拠点にも近いエリアです。潮流や透明度は季節・日によって変わるため、現地ショップの当日判断に従ってください
  • ロンボク島全体の海況の傾向ロンボク島のベストシーズンと天気もあわせてご覧ください

健康状態の申告と、潜れない可能性がある条件

PADI・SSIいずれの団体も、受講前に医療質問表への回答を求めます。PADIの現行様式は2020年に全面改訂された「Diver Medical Participant Questionnaire」で、次の10項目に「はい/いいえ」で答える形式です(2026年1月1日版)。

  1. 肺・呼吸・心臓・血液の問題で、通常の身体的/精神的パフォーマンスに影響が出たことがある
  2. 45歳を超えている(該当する場合は追加の詳細項目を確認)
  3. 中程度の運動(1.6kmを14分で歩く、200mを休まず泳ぐなど)が難しい ※「はい」なら医師の評価が必要
  4. 目・耳・鼻腔/副鼻腔・歯に問題があったことがある
  5. 過去12か月以内に手術を受けた、または過去の手術に関連する問題が続いている ※「はい」なら医師の評価が必要
  6. 意識消失、片頭痛、けいれん発作、脳卒中、重度の頭部外傷、または持続する神経の障害・疾患がある
  7. 精神的な問題・人格障害・パニック発作・薬物やアルコール依存の治療を現在受けている、または過去5年以内に受けた
  8. 腰背部の問題、ヘルニア、潰瘍、糖尿病があったことがある
  9. 胃腸の問題(最近の下痢を含む)があったことがある
  10. 現在1種類以上の処方薬を服用している ※「はい」なら医師の評価が必要

10項目すべてに「いいえ」であれば、医師の診断は不要です。一方、3・5・10のいずれかが「はい」の場合は医師の評価が必須とされ、その他の項目も該当内容によって医師の判断を求められます。該当する可能性がある方は、渡航前に日本の医療機関で相談し、必要なら診断書を用意しておいてください。質問表の最新版はPADI公式のダウンロードページで確認できます。

現地に着いてから「実は持病があって潜れなかった」となると、講習費用が無駄になるだけでなく、日程の組み直しも困難です。 事前確認が欠かせません。

万一の減圧症:ギリ諸島で起きたときの動き方

減圧症(DCS)は、ルールを守っていても確率がゼロにはならない事故です。離島であるギリ諸島では、発症してから治療までの時間が本土より長くかかります。 出発前に次の4点だけは押さえておいてください。

1. 初期症状を知っておく

DANが挙げる初期の症状は、異常な倦怠感、皮膚のかゆみ、腕・脚・体幹の関節や筋肉の痛み、めまい、しびれやチクチク感、麻痺、呼吸のしづらさなどです。ほかの人から見て分かる兆候としては、まだらな発疹、筋力低下、歩き方の異常、混乱や普段と違う言動などがあります。症状は浮上直後に出ることも、24時間かけて現れることもあり、多くは潜水後15分〜12時間の間に出るとされています。「疲れているだけ」と自己判断せず、その場でインストラクターに伝えてください。

2. 最寄りの再圧チャンバーは海を渡った先にある

ギリ諸島には再圧チャンバーがありません。ダイビング事故の受け入れ先として現地で案内されるのは、ロンボク本島マタラムのRSUD Kota Mataram(マタラム市立病院)の高気圧酸素治療室です。また北ロンボク県のRSUD Kabupaten Lombok Utara(タンジュン)も高気圧酸素治療設備を公表しています。いずれもギリ諸島からはボート+陸路の搬送が必要で、移動に時間がかかる前提で動く必要があります。 稼働状況・受け入れ体制は時期によって変わるため、講習の初日に「事故時の搬送先と手順」をショップに確認しておくことをおすすめします。

3. ダイビング保険に事前に加入しておく

DANのダイビング事故保険は、高気圧酸素治療(チャンバー)費用、医師・病院の費用、陸路・空路・海路の緊急搬送、治療で帰国が遅れた場合の追加交通・宿泊費などを補償対象としています。一般の海外旅行保険はスクーバダイビング中の事故を対象外としている場合があるため、加入中の保険がダイビングを補償するかを出発前に確認し、必要ならダイビング専用保険に加入してください。

4. 症状があるときは絶対に飛行機に乗らない

減圧症が疑われる症状があるまま搭乗すると、機内の低い気圧で症状が悪化します。DANは酸素投与で症状が一時的に改善しても医療評価を遅らせないよう求めています。症状が出た時点で、その日以降のフライトは「変更する前提」で考えてください。

取得直後、飛行機に乗るまでの待機時間

ここは安全に直結する重要なポイントです。 ダイビング後は体内に溶け込んだ窒素が残っており、潜水後すぐに気圧の低い機内に入ると、この窒素が気泡化して減圧症を発症するリスクが高まります。ダイバーの安全団体DAN(Divers Alert Network)は、ダイビング後の飛行(Flying After Diving)に関するガイドラインとして、次の待機時間を推奨しています。

  • 無減圧潜水を1本だけ行った場合:最低12時間の表面待機
  • 1日に複数本潜った場合、または複数日にわたって反復潜水を行った場合:最低18時間の表面待機
  • 減圧潜水を行った場合:18時間よりも著しく長い待機が必要(具体的な時間は個別の状況によります)

つまり18時間ルールは「複数日潜った人だけの話」ではありません。1日に2本潜って翌日移動する場合も18時間側です。ライセンス講習は連日複数本の海洋ダイブを行うため、最終ダイブで浮上した時刻から18時間以上あけてから搭乗するのが安全側の目安になります。

あわせて2点。これらの数値はDANが示す「最低限」の目安で、機内の気圧が地上2,400m前後(約8,000フィート)相当であることを前提に、乾式チャンバーで安静にした被験者を対象とした試験(デューク大学、1992〜1999年)から導かれたものです。DAN自身、実際の潜水は水中で運動を伴うため「より長い待機が必要な場合がある」と注記しています。余裕を持つほど安全側です。もう1点、制約は飛行機だけではありません。 潜水後に標高の高い場所へ陸路で移動する場合も、気圧が下がる点は同じです。ライセンス取得直後にリンジャニ山方面など標高のあるエリアへ向かう日程は避けてください。

ここで注意したいのは、「翌日の便なら大丈夫」とは限らないことです。たとえば最終ダイブの浮上が15:00なら、18時間後は翌日9:00。翌朝8:00発の便では条件を満たしません。 「翌日便」ではなく「浮上時刻+18時間」で日程を組んでください。

この「浮上時刻から18時間」という考え方を時間軸で示すと、次のようになります。

図:最終ダイブから搭乗までの待機時間

翌朝8:00発の便 → 搭乗NG(浮上から17時間) 翌朝9:00以降の便 → 搭乗OK(浮上から18時間) (最終ダイブ浮上を15:00とした場合の例) 複数本/複数日の反復潜水 (講習はこちら)最低18時間 無減圧潜水を1本だけ 行った場合:最低12時間 0h 浮上15:00 12h 翌3:00 17h 翌8:00 18h 翌9:00 ※減圧潜水を行った場合は、18時間よりさらに長い待機が必要です(個別に判断)

また、ロンボク→バリ→日本と乗り継ぐ場合、起点になるのは最初に搭乗する便(ロンボク発)の出発時刻です。乗り継ぎ後の国際線ではなく、最初の離陸までに18時間を確保する必要があります。

ショップ選びで見るべき点

料金だけで選ぶと、安全面や日程の柔軟性で後悔しやすいのがダイビングショップ選びです。次の点を、申し込み前にウェブサイトや問い合わせで確認することをおすすめします。

  • 安全記録・保険加入の有無:緊急時の酸素キットの搭載、保険への加入状況、事故時の搬送手順を明記しているショップかどうか
  • 器材の状態:レンタル器材の年式やメンテナンス頻度について説明があるか。老朽化した器材は故障やトラブルの原因になります
  • 1インストラクターあたりの受講者数:PADI・SSIともに上限人数の基準がありますが、実際の運用人数はショップ差があります。少人数制を明記しているショップのほうが、一人ひとりへの指導が丁寧になりやすい傾向があります
  • 口コミの内容:星の数だけでなく、「スキル指導が丁寧だったか」「安全管理を優先していたか」といった具体的なコメントを確認してください
  • 日程変更への対応:海況次第でスケジュールが延びることがあるため、柔軟に対応してくれるショップかどうかも重要な判断材料です

注意点・デメリットまとめ

  • 安さだけで選ぶリスク:格安を打ち出すショップの中には、認定料・教材費・海洋公園利用料が総額に含まれておらず、後から追加費用が発生するケースがあります。また、インストラクター1人あたりの受講者数が多いショップでは、一人ひとりへの目配りが薄くなりがちです。安全管理や器材の状態を犠牲にした「安さ」でないかを、申し込み前に確認してください
  • 海況によって日程が延びる可能性:風や波が強い日は海洋実習を予定通り実施できないことがあります。BMKG(インドネシア気象庁)は海域ごとに波高予報を発表しており、ロンボク海峡南部では高波・非常に高い波(Sangat Tinggi)の予報が出ることがあります。ギリ諸島側の海域についても同じくBMKGの海域別予報で確認できます。悪天候時はダイブが翌日以降に順延されるため、講習期間の直後にタイトな移動日程を組まないでください
  • 費用に含まれないものがある:前述の通り、認定料・教材費・海洋公園利用料・ダイブコンピューターレンタルなどが、コース料金の見積もりから漏れていることがあります。総額を必ず事前に確認してください
  • 健康状態によっては受講できない、または医師の評価が必要:前述の10項目に該当する場合、現地で急に判明すると日程の組み直しが困難です
  • 医療体制が離島である:再圧チャンバーはロンボク本島側にあり、搬送に時間がかかります。ダイビング保険への事前加入をおすすめします
  • 飛行機搭乗のタイミング制限:最終ダイブの浮上から18時間は搭乗を避ける必要があるため、帰国日程を詰め込みすぎると計画が崩れます

よくある質問(FAQ)

よくある質問

Q1. 泳げなくてもダイビングライセンスは取れますか?

PADI公式FAQによると、オープンウォーターダイバーコースには「200m(マスク・フィン・スノーケル使用時は300m)を止まらずに泳ぐ」「10分間浮くか立ち泳ぎをする」という水中スキルの確認が含まれます。タイムや泳法の指定はありませんが、まったく泳げない場合は受講が難しくなります。不安な方は申し込み前にショップへご相談ください。

Q2. PADIとSSI、どちらのライセンスを取っても世界中で通用しますか?

どちらも国際的に広く認められた指導団体で、世界中の多くのダイビングショップで通用します。ただし店舗によって対応団体が限られる場合もあるため、将来行きたいエリアのショップが自分の取得団体に対応しているか、事前に確認しておくと安心です。

Q3. 何歳から受講できますか?

PADIオープンウォーターダイバーの最低年齢は10歳で、15歳未満はジュニア認定になります。アドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバーはフル認定が15歳以上、12〜14歳はジュニア扱いです。SSIなど他団体やショップ独自の運用もあるため、最終的には受講先の公式情報でご確認ください。

Q4. コンタクトレンズや眼鏡でも潜れますか?

PADI公式ブログは、DANの見解としてソフトコンタクトレンズの使用を推奨しています。ソフトレンズはガスを通し、マスクに水が入っても外れにくいためです。一方、ハードレンズ(RGPレンズ)は目の痛みや視界のぼやけを起こすことがあり推奨されていません。度付きのダイビングマスクを用意する方法もあります。

Q5. 講習中に体調が悪くなったら、途中でやめられますか?

無理に続ける必要はありません。耳抜きがうまくできない、気分が悪いといった場合は、インストラクターにその場で申し出て中断・見学に切り替えることができます。安全を優先する姿勢を評価するのが、まっとうなダイビングショップです。


島全体の基本情報はロンボク島完全ガイド、体験ダイビングとの違いやおすすめスポットの全体像はロンボク島シュノーケリング・ダイビング完全ガイド、ギリ諸島の基本情報はギリ諸島完全ガイド、島ごとの詳細はギリ・トラワンガンガイドギリ・エア/メノガイドもあわせてご覧ください。

出典

※本記事の料金・日数・制度に関する情報は2026年8月時点の確認に基づく目安です。指導団体の規定、ショップの料金・対応言語、医療機関の受け入れ体制、健康診断の要否は変動するため、渡航前に各公式サイトや医療機関で最新情報をご確認ください。

ロンボク島の「その先」を探している方へ

私たちSemelar Beach Villageは、ロンボク島南西部のセコトンというエリアに拠点を置いています。ギリ・トラワンガンのような知名度はありませんが、その分、静かな海と島の暮らしがそのまま残っています。

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