「ロンボク島のエカス(Ekas)はどこにあって、どうやって行くのか」「サーフィンをしない人が行っても過ごせるのか」「泊まるならクタか、エカスの近くか」。エカス湾を調べると、出てくるのはサーフスポットの紹介と予約サイトの宿の一覧が中心で、行き方や泊まり方をまとめて比べられる情報は多くありません。
結論から言うと、エカス湾はロンボク島の南東部にある大きな入り江で、行き方は「西岸のアワン港から船で渡る」か「湾を陸路で回り込む」かの2通りです。多くのサーファーはクタ・ロンボクに泊まり、アワン港から船で日帰りしています。湾の東岸のエカス側に泊まると、波の近くで静かに過ごせる一方、店や設備は少なく、移動に時間がかかります。
この記事は、サーフガイド、インドネシアの報道、大学の調査、観光省の観光村データベース(Jadesta)など、実際に開いて読めた情報をもとにまとめています。エカス周辺の宿は公式サイトで確かめられるものが見つからなかったため、宿の料金は書かず、泊まり方の型と予約前に確かめることで答えます。
2026年10月時点の情報
この記事でわかること
- ✓エカス湾がどこにあり、湾の西岸と東岸で何が違うか
- ✓アワン港から船で渡る方法と、陸路で回り込む方法の違い
- ✓インサイド・アウトサイドなど波の性格と季節
- ✓クタに泊まって日帰りするか、エカス側に泊まるかの選び方
- ✓サーフィンをしない人の静かな過ごし方と、行く前の注意
結論
波だけが目的なら、クタ・ロンボクに泊まり、アワン港から船で日帰りするのが一般的です。波の近くで静かに数日を過ごしたいなら、湾の東岸のエカス側に泊まります。ただし店や設備は少なく、宿の公式な情報も乏しいため、移動手段・食事・支払い方法を予約前に宿へ直接確かめてください(2026年10月時点)。
エカス湾はどこにありますか
エカス湾は、ロンボク島の南岸の東寄りにある入り江です。英語のサーフガイドでは「Ekas Bay」、インドネシア語では「Teluk Ekas」と呼ばれますが、湾全体を「アワン湾(Teluk Awang)」と呼ぶ資料もあります。The Surf Atlasは、エカスをアワン湾の東側にあり、湾の幅は最も広い所で約4マイル(約6.4km)、クタ・ロンボクから東へ約8マイル(約13km)と書いています。
湾をはさんで、西岸と東岸は県が違います。西岸のアワン港は、中部ロンボク県プジュット郡ムルタック村(Desa Mertak)にある漁港です(インドネシア会計検査院NTB州事務所が掲載した2021年2月の報道)。東岸のエカス側は東ロンボク県ジェロワル郡で、Universitas Mataramの研究者による調査(2018年)は、エカス・ブアナ村(Desa Ekas Buana)が2011年に隣のプモンコン村から分かれてできた村だと書いています。
同じ調査によると、村の浜(Pantai Surga)は漁の暮らしと結びついており、ハタやエビを育てる浮きいかだの小屋が約50あると記されています。観光地として整った町ではなく、漁村と養殖の海の中に波がある場所だと考えてください。
エカス湾の東には、当サイトのロンボク島ピンクビーチ徹底ガイドで扱ったピンクビーチ(タンシ・ビーチ)のあるエカス半島が続いています。
どうやって行きますか(船で渡るか、陸路で回るか)
行き方は大きく2通りです。1つ目は、西岸のアワン港から船で渡る方法で、日帰りのサーファーの多くがこちらを使います。当サイトのロンボク島サーフスポット完全ガイドでは、クタ・ロンボクからアワン港まで車で約40分、そこから船で約30分としています。The Surf Atlasは、陸路と船を合わせて約1時間としています。道と海の状態で前後するため、幅を持って考えてください。
The Surf Atlasによると、アワン港は商業港ではなく、主に地元の漁師が使う港で、2023年初めの時点では傷みが目立っていたものの、船の手配は難しくなかったとしています。Surf Indonesiaも、アワン港では船と船頭を見つけるのに困らないと書いています。船代の公式な相場は確認できませんでした。乗る前に、往復の料金、待ってもらう時間、帰りの集合場所を船頭と決めておいてください。
2つ目は、湾を陸路で回り込んで東岸へ向かう方法です。Surf IndonesiaもWave Explorersも「湾を回る長い道」と書いており、東岸に泊まる人や、浜から船を出す人はこちらを使います。クタからエカス側までの所要時間を示す出典は見つかりませんでした。目安として、当サイトのピンクビーチの記事では、エカス半島の先にあるタンシ・ビーチまでクタから道のりで約55km、片道1.5〜2.5時間としています。
図:エカス湾への2つの行き方(地図ではなく並び順)
公共交通は確認できませんでした。どちらの方法でも車かバイクの手配が前提です。明かりの少ない道もあるため(detikBali)、陸路は明るいうちに着く計画にしてください。
どんな波があり、いつがいい時期ですか
エカス湾の代表的な波は、湾の中の「インサイド」と、湾の入り口の崖の下で割れる「アウトサイド」です。どちらもサンゴの上で割れるリーフブレイクです。
インサイドは左右に割れる波で、Wave Explorersは「右は急で100m以上続き、左はゆるやかで長く水路へ流れる」と書いています。難易度の評価は分かれ、Surf Indonesiaは初級、The Surf Atlasは中級者向けとしています。The Surf Atlasは、うねりが2〜3フィート以上ないとよく割れないとも書いています。
アウトサイドは、インサイドから約1.2km南(The Surf Atlasは約4,000フィートと記載)の高い崖の下で割れる波で、インサイドより大きくなります。The Surf Atlasは上級者向け、Surf Indonesiaは中級者向けとしており、右に割れるか左に割れるかも資料ごとに記載が食い違います。潮について、Surf Indonesiaはインサイドはどの潮でも乗れ、アウトサイドは中〜高潮がよいとし、The Surf Atlasはインサイドは低潮でも乗れるが満ちきった潮は向かないとしています。
このほか、Wave Explorersはエカス村の近くのルンカン浜(Pantai Rungkang)を、大きなうねりから守られて波がいつも小さい初心者向けの場所として紹介しています。エカス側の宿のいくつかが、ここで初心者向けのレッスンを行っているとも書いています。
図:エカス湾の主な波の早見
季節は、乾季(4〜10月)に波が大きくなります。The Surf Atlasは乾季に大きなセットが入り、アウトサイドはかなり大きくなると書き、Surf Indonesiaはうねりの多い時期を4〜11月、Rapture Surfcampsは乾季を5〜10月としています。雨季(11〜3月)は波が小さくやわらかくなり、The Surf Atlasは初心者と中級者に、Rapture Surfcampsは初心者に、雨季の方が向くとしています。Surf Indonesiaは、エカスでは一年を通して乗れる波があることが多いとも書いています。
混み具合について、The Surf Atlasは、クタから遠く船も要るため人が少ないとしています。一方でWave Explorersは、日帰りの人が多いため、海に入っている人の方が村に滞在している人より多くなりがちだと書いています。
クタから日帰りするか、エカス側に泊まるか
Wave Explorersによると、エカスを訪れるサーファーの多くはクタからの日帰りです。インドネシアの報道も同じ傾向を伝えています。detikBali(2025年6月18日)は、東ロンボク県のジェロワルの観光事業者が「エカスには波に乗りに来る人が多いのに、泊まる人は少ない」と訴えていると報じ、地元のリゾートの支配人は、その理由に道の悪さと街灯の少なさを挙げています。
クタに泊まって日帰りする場合は、店や宿の選択肢が多く、サーフスクールの手配もしやすいのが利点です。当サイトのサーフスポットの記事では、クタのサーフスクールが公式サイトでエカス方面への1日ボートトリップを案内している例を紹介しています。毎日通うと、往復の車と船の時間と費用が重なります。クタの町の様子はクタ・ロンボク(マンダリカ)ガイドで扱っています。
エカス側に泊まる場合は、波の近くで朝夕の静かな時間を過ごせます。The Surf AtlasとSurf Indonesiaは、エカス側に、波まで船を出すサーフリゾートや、崖の上にプールのある宿があると紹介しています。ただし、どの宿も公式サイトで存在と料金を確かめられなかったため、この記事では名前を挙げません。泊まる場合は、予約サイトの情報だけで決めず、宿に直接たずねてください。
観光省のJadestaは、東ロンボク県のジェロワル村(マングローブとロブスター養殖の村)を観光村として載せ、民泊(Bale Mangrove Homestay、Olat Homestay)も掲載しています。ただし、ジェロワル村からエカスの浜までの距離と時間は確認できませんでした。
エカス側の宿に予約前にたずねること
- ✓波まで船を出してもらえるか、料金は宿泊費に含まれるか
- ✓空港やクタからの送迎の有無と、所要時間の目安
- ✓食事が出るか、近くで食べられる所があるか
- ✓支払いは現金のみか、カードが使えるか
- ✓電気と水、携帯の電波とWi-Fiの状態
- ✓板の貸し出しやレッスン、カイトの手配ができるか
サーフィンをしない人は、どう過ごせますか
波に入らない人の過ごし方で、出典で確かめられたものは次のとおりです。
カイトサーフィン:South China Morning Postの旅行記事(掲載日は確認できませんでした)は、乾季の5〜10月にエカスでは沖へ向かう風が安定して吹き、カイトサーフィンの複数日の講習を開く学校があると紹介しています。Wave Explorersも、湾の中と南側の浜はカイトに向いているとされると書いています。
シュノーケリング:Wave Explorersは、湾の中ほどにあるサンゴの浅場へ向かうシュノーケルのツアーを紹介しています。料金と催行の頻度は確認できませんでした。泳ぎに自信がない人はライフジャケットの有無を先にたずねてください。
漁村と養殖の海を見る:Universitas Mataramの調査は、エカス・ブアナ村の浜で、浮きいかだの小屋や船づくり、浜の東屋で魚をさばく様子を見られると書いています。Surf Indonesiaは、水辺で地元の人から魚や野菜を買えるとしています。集落では肌の露出を控え、漁の作業の邪魔をしないでください。
南側の浜と岬をめぐる:Travelfish(2020年)は、エカス半島の南岸に車やバイクで行ける白い砂浜が多いと書いています。そのうちスンクン・ビーチ(Sungkun)は、沖のリーフが大きな波をさえぎる一方、雨季は四輪駆動車が要るとしています。Wave Explorersも、バイクで南の浜や岬を回り、夕日を見る過ごし方を挙げています。ピンクビーチへ足をのばす場合は、道の状態をピンクビーチの記事で確かめてください。ロンボク南部のほかの浜はロンボク島南部のビーチ巡りで比べています。
行く前に知っておきたい注意はありますか
エカスは、湾の西岸(中部ロンボク県)と東岸(東ロンボク県)で、船や観光の担い手が分かれている場所です。detikBali(2025年6月18日)は、東ロンボク県の県知事がエカスの海を船で見回り、中部ロンボク県から客を乗せてきた船頭に「ジェロワルに泊まらない客を波に連れてこないように」と告げた動画が広まり、国会議員や観光団体から批判が出たと報じています。
Antara(2025年12月19日)は、エカス湾で総合サービス所(pos pelayanan terpadu)の建設や、観光の管理の取り締まりが進んでいると伝えています。アワン港から船で渡る場合の決まりが今後変わる可能性もあるため、船やツアーを頼むときに、エカス側で別に払うお金や決まりがあるかを先に確かめてください。具体的な規則の内容は確認できませんでした。
注意
- 現金は先に用意する:エカスの近くでお金を引き出せる場所は確認できませんでした。クタや空港で必要な分を用意してください。
- 食事と道具はクタで:Wave Explorersは、エカスには食べる所が少なく、サーフショップもないため、必要なものはクタで買うよう書いています。
- リーフでけがをしない:当サイトのサーフスポットの記事では、エカス・アウトサイドをリーフブーツが要るスポットに挙げています。潮が引くとサンゴが浅くなるため、潮見表を確かめてから入ってください。
- 大きい日のアウトサイドは流れが強い:Wave Explorersは、大きい日は水の動きが大きく、位置を外しやすいと書いています。初めての人は一人で入らず、ガイドと一緒に入ってください。
セコトン現地からのひとこと
ロンボクでは、地図の上の距離と実際の移動時間が合わないことがよくあります。当サイトのピンクビーチの記事でも書いたとおり、エカス半島へ向かう道は、浜に近づくと舗装が途切れる区間があり、地図で見るより時間がかかります。エカスへ行く日は、ほかのエリアと組み合わせず「1日1エリア」と決めておくと、帰りの暗い道を急がずに済みます。帰りの船の時刻と集合場所はメッセージで残しておくと行き違いを防げます。
エカス湾の弱点と、向く人
エカス湾は、気軽に立ち寄れる場所ではありません。クタから船を使っても片道1時間ほどかかり、陸路はさらに長くなります。エカス側は店や設備が少なく、アウトサイドは経験者向けです。買い物や食べ歩きを楽しみたい人、移動の時間を減らしたい人には、クタ・ロンボクに泊まる方が向いています。
一方で、人の少ない湾で波に乗りたい中級者、雨季のやわらかい波で練習したい人、乾季の風でカイトをしたい人、漁村の海を静かに眺めて過ごしたい人には、エカスは候補になります。
同じように静かな漁村の海を求めるなら、島の反対側の南西部セコトンも選択肢の一つです。私たちSemelar Beach Villageは、セコトンの漁村で地元のササクの人たちと浜のカフェ(SAKURA CAFE、10:00〜22:00、月曜定休)や市場、ビーチクラブを運営しています。ロンボク国際空港から車で約1時間10分、レンバル港から約40分です。全13棟のプライベートヴィラは建設中で、最初の棟は2027年初めに完成する予定です(2026年8月時点の計画)。いま申し込めるのは3泊4日〜5泊6日の滞在プログラム(1人Rp4,800,000、約4.3万円。空港送迎・滞在中の移動・ガイド・ウェルカムディナー・マッサージ込み、航空券と宿泊は別)で、日本語で相談できます。セコトンについてはセコトン完全ガイドで紹介しています。
よくある質問
Q. クタ・ロンボクから日帰りできますか。
できます。アワン港から船で渡る方法なら、陸路と船を合わせて約1時間(The Surf Atlas)とされ、エカスを訪れるサーファーの多くが日帰りです。陸路で東岸へ回る場合は時間がかかるため、朝早く出てください。
Q. 初心者でもエカスで波に乗れますか。
インサイドは初級〜中級と評価が分かれ、雨季なら初心者向きとする資料があります。Wave Explorersは、エカス村の近くのルンカン浜を初心者向けとしています。アウトサイドは経験者向けです。初めての人はスクールやガイドと一緒に入ってください。
Q. 雨季に行っても楽しめますか。
波は小さくやわらかくなり、初心者や中級者には向くとされます。ただし雨のあとは未舗装の道がぬかるみやすく、エカス半島の南の浜には四輪駆動車が要る所もあります(Travelfish)。カイトの風は乾季が中心です。
Q. エカスとピンクビーチは一緒に回れますか。
ピンクビーチはエカス湾の東に続く半島の先にあります。半島の先は道が悪く時間がかかるため、波に入る日とは分けて計画してください。
まとめ
エカス湾は、ロンボク島南東部の入り江で、西岸のアワン港(中部ロンボク県)と東岸のエカス側(東ロンボク県)に分かれます。行き方は、アワン港から船で渡るか、陸路で湾を回り込むかの2通りで、サーファーの多くはクタからの日帰りです(2026年10月時点)。
波は湾の中のインサイドと崖の下のアウトサイドが代表的で、乾季は大きく、雨季はやわらかくなります。エカス側に泊まる場合は、船・食事・支払い方法を予約前に宿へ直接確かめ、船を頼むときは料金と帰りの時刻、エカス側の決まりの有無を先に確かめてください。
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- ロンボク島南部のビーチ巡りセロン・ブラナク、タンジュン・アーンなど南部の浜を比べています

この記事が根拠にした情報
- The Surf Atlas「The Ultimate Guide to Ekas Surf」(2024年12月更新)https://thesurfatlas.com/surfing-indonesia/ekas-surf/
- Surf Indonesia「Ekas Bay Surf Spots」https://www.surfindonesia.com/lombok-surf-spots/ekas-bay/
- Wave Explorers「Surfing Ekas Bay」(2022年10月更新)https://waveexplorers.com/guide/indonesia/lombok/surfing-ekas-bay/
- Rapture Surfcamps「Important Things to Know When Surfing Ekas Bay」(2023年12月)https://www.rapturecamps.com/blog/surf-ekas-bay
- detikBali「Bupati Iron Usir Boatman Bawa Tamu di Ekas, DPR hingga Pelaku Wisata Bereaksi」(2025年6月18日)https://www.detik.com/bali/nusra/d-7970073/bupati-iron-usir-boatman-bawa-tamu-di-ekas-dpr-hingga-pelaku-wisata-bereaksi
- Antara Megapolitan「Saat ombak mengetuk pintu dunia」(2025年12月19日)https://megapolitan.antaranews.com/berita/473044/saat-ombak-mengetuk-pintu-dunia
- Permadi ほか「Identifikasi Potensi Desa Wisata di Kecamatan Jerowaru, Lombok Timur」Jurnal Pariwisata Terapan(2018年)https://journal.ugm.ac.id/jpt/article/view/35380
- インドネシア会計検査院NTB州事務所 報道資料「Pelabuhan Awang Ditinggal Investor」(2021年2月の報道)https://ntb.bpk.go.id/wp-content/uploads/2021/11/LRN_-02_5-Pelabuhan-Awang-Ditinggal-Investor_PERBAIKI-FORMAT-DAN-ISI.pdf
- インドネシア観光省 Jadesta「Desa Wisata Jerowaru」https://ntb.jadesta.com/desa/jerowaru
- Travelfish「Ekas」(2020年8月)https://www.travelfish.org/location/indonesia/west_nusa_tenggara/lombok/ekas
- South China Morning Post「5 places off the beaten track in Lombok」https://amp.scmp.com/magazines/post-magazine/travel/article/3240083/5-places-beaten-track-lombok-indonesia-desert-islands-eco-resort-countrys-kitesurfing-capital
- 当サイト「ロンボク島サーフスポット完全ガイド」「ロンボク島ピンクビーチ徹底ガイド」「ロンボク島サーフィン入門」https://semelarvillage.com/lombok-surf-spots-guide/
