バリ島やロンボク島への旅行を計画していて、「狂犬病の予防接種は受けておくべきなのか」「犬や猿に近づいても大丈夫なのか」と気になっている方は少なくないと思います。特に小さなお子さん連れの場合、現地で人懐っこい犬や猿に子どもが手を伸ばしてしまわないか、心配になるのは自然なことです。
結論から言うと、インドネシアへの渡航にあたって法律上義務づけられた予防接種はありません。狂犬病そのものも、正しい距離感さえ保てれば過度に恐れる必要はない感染症です。一方で、狂犬病は発症してしまうとほぼ確実に命に関わる病気であり、厚生労働省検疫所(FORTH)や外務省もインドネシア全域を「動物咬傷のリスクがある地域」として案内しています。ゼロリスクではないという事実は、正直にお伝えしておきたいところです。
この記事では、厚生労働省検疫所FORTH、外務省「世界の医療事情」、在デンパサール日本国総領事館、WHO(世界保健機関)が公開している情報をもとに、バリ島・インドネシア全体の狂犬病の状況、検討すべき予防接種、動物に触れてしまったときの対応手順、そして蚊が媒介するデング熱についてまとめました。ロンボク島(西ヌサトゥンガラ州)に限定した公的データは非常に限られており、確認できなかったことは「確認できなかった」とそのまま書いています。
医療に関する最終的な判断は、必ず医師やトラベルクリニックに相談したうえで行ってください。この記事は渡航前に何を調べ、誰に相談すればよいかを整理するためのものであり、医学的な診断や接種の可否を判断するものではありません。
2026年9月時点の情報
この記事でわかること
- ✓インドネシア渡航に法律上必須の予防接種はないこと
- ✓バリ島・インドネシア全体の狂犬病の公的な状況とロンボクについて分かっていること・分かっていないこと
- ✓動物に噛まれた・引っかかれたときに取るべき行動の順序
- ✓検討すべき予防接種と、デング熱を含む蚊媒介感染症への備え
- ✓子連れ・長期滞在者が出発前にしておきたいこと
結論
インドネシア渡航に必須の予防接種はなく、狂犬病対策の基本は「動物に近づかない・触らない」ことです。ただし動物と接触する予定がある人、子連れ、長期滞在者は、出発の3か月ほど前をめどにトラベルクリニックで暴露前接種を検討する価値があります。万一咬まれたり引っかかれたりした場合は、症状がなくても石鹸を使ってすぐに傷を洗い、その日のうちに現地の医療機関を受診することが最優先です。
狂犬病とはどんな病気で、バリ・インドネシアの現状は
狂犬病は、狂犬病ウイルスを持つ動物に咬まれたり引っかかれたりすることでウイルスが傷口から体内に入り、感染する病気です。在デンパサール日本国総領事館の安全情報によると、感染源は犬に限らず、猫、ネズミの仲間、コウモリ、猿なども含まれます。潜伏期間は数週間から数か月、まれに数年に及ぶこともあり、発症すると咬まれた部位のかゆみから始まり、発熱、頭痛、嘔吐、筋肉の緊張、けいれんへと進行し、水を怖がる症状(恐水症)や空気を怖がる症状(恐風症)が現れるとされています。発症してしまってからの有効な治療法はなく、ほぼ致死的というのが医学的な事実です。
その一方で、狂犬病は「発症する前」であればワクチンで確実に防げる病気でもあります。WHOのファクトシートも、世界で年間推定59,000人が命を落とし、その多くがアジアとアフリカに集中していること、感染経路の99パーセントは犬からであることを示しています。傷をすぐに洗い、必要なワクチンを接種すれば発症を防げるとも説明されています。つまり「動物に触れない」「触れてしまったらすぐ対処する」という2点を徹底すれば、リスクは大きくコントロールできるということです。
インドネシアに関して、FORTHは「動物に咬まれる事例が多く発生しており、狂犬病のリスクが高い地域」と案内しています。バリ島についても、日本人旅行者の多いエリアを含めて2008年以降、狂犬病で亡くなる地元住民が相次いでいると明記されています。FORTHが2011年に公開した情報では、2008年12月にインドネシア農業省が国際獣疫事務局へバリ島での発生を届け出て以降、2011年6月時点でバリ島における狂犬病による死者は100名を超えたとされ、症例は南部の観光地周辺を含む島全体で確認されていると説明されています。外務省の「世界の医療事情」インドネシア編(2024年10月改定)も、ジャカルタ首都圏では野犬をほとんど見かけない一方、東部インドネシア、特にバリ島では多くの野犬を見かけると述べ、狂犬病を「極めて致死率の高い疾患」として注意を促しています。
ロンボク島(西ヌサトゥンガラ州)に絞った狂犬病の統計や注意喚起は、今回確認した範囲のFORTH・外務省・在デンパサール総領事館の情報の中には見当たりませんでした。ここは正直にお伝えします。あわせて、農林水産省動物検疫所が公表している「狂犬病の清浄地域(指定地域)」一覧を確認したところ、指定されているのはアイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムの6地域のみで、インドネシアは国全体としてこの清浄地域に含まれていません。ロンボクだけが特別に安全と証明されているわけでも、逆に特別に危険と証明されているわけでもなく、「インドネシアという国全体として、狂犬病がいる国である」という前提で備えるのが実際的です。
動物に噛まれた・引っかかれたときにすべきこと
万一、犬や猫、猿などに咬まれたり引っかかれたりした場合は、傷が小さくても、症状がなくても、次の順番で対応することがすすめられています。出典はFORTHの狂犬病ファクトシート、WHOのファクトシート、在デンパサール総領事館の安全情報です。
動物に触れてしまったときの手順
- 1. すぐに傷口を洗う:流水と石鹸で最低15分、傷口を広く洗います。在デンパサール総領事館は「水だけの洗浄では不十分で、石鹸を使うこと」を明確に注意喚起しています。
- 2. その日のうちに医療機関を受診する:症状がなくても、傷が小さくても、すぐに現地の医療機関へ行くことがFORTHの情報で強調されています。様子を見るという判断は避けてください。
- 3. 医師の判断でワクチン等を受ける:WHOは咬傷の程度に応じてワクチン接種、場合によっては狂犬病免疫グロブリンの投与が行われるとしています。暴露前接種の有無によって必要な対応は変わるため、渡航前にワクチンを受けているかどうかを現地の医師にきちんと伝えてください。
- 4. 海外旅行保険の内容を確認する:FORTHは、治療費用や緊急移送費用が保険の補償対象に含まれているかを事前に確認するよう促しています。インドネシア渡航に際しては、緊急移送特約や現地治療特約への加入も検討材料になります。
- 5. 帰国後も自己判断で終わらせない:ワクチン接種の途中で帰国した場合や、現地で十分な対応が取れなかった場合は、帰国後すみやかに医療機関や検疫所に相談してください。
図:動物に触れてしまったときにすべきこと
FORTHの情報では、子どもについて特に注意が必要だとされています。犬や猫、猿などの野生動物のまわりでは、子どもへの監督を強めるよう案内されており、小さな引っかき傷を子ども自身が気づかない、あるいは親に伝えないまま済ませてしまうケースが想定されているためです。旅行中に動物と写真を撮る、餌をあげるといった行為は避け、家族で「見るだけ、触らない」というルールを共有しておくと安心です。
検討すべき予防接種を対象者別に整理する
FORTHのインドネシア渡航情報と、外務省の「世界の医療事情」インドネシア編(赴任者向け)で案内されている予防接種を、対象になりやすい人ごとに整理すると次のとおりです。どれも「必須」ではなく「検討がすすめられる」接種である点に注意してください。最終的な要否は、渡航スタイル、滞在期間、持病の有無などによって変わるため、トラベルクリニックでの個別相談が前提になります。
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| ワクチン | 主にどんな人に案内されているか |
|---|---|
| A型肝炎 | 滞在期間の長短にかかわらず検討がすすめられる、衛生環境への不安がある地域への渡航者 |
| B型肝炎 | 医療処置や血液・体液に触れる可能性がある人、長期滞在者 |
| 破傷風 | 滞在期間の長短にかかわらず検討がすすめられる(外務省は赴任者向けにも案内) |
| 腸チフス | 滞在期間の長短にかかわらず検討がすすめられる |
| 麻しん | 罹患歴がない人、2回のワクチン接種歴がない人。FORTHは近年、麻しんの輸入例がインドネシアからの報告で最も多いと案内 |
| 日本脳炎 | 農村部に長期滞在する場合 |
| 狂犬病(暴露前接種) | 犬や野生動物との接触が予想される人、動物に近づきやすい子ども、長期滞在者 |
※厚生労働省検疫所FORTH「インドネシア」、外務省「世界の医療事情」インドネシア編(2024年10月改定)をもとに作成。最終的な要否は医師にご相談ください。
外務省の「世界の医療事情」インドネシア編には、もうひとつ見過ごせない情報があります。インドネシアでは経済政策の一環として現地生産の医薬品やワクチンが優先的に流通しており、輸入医薬品にはかなり厳しい制限があるため、外国人向けクリニックであってもワクチンの在庫が不安定で品薄状態が続いていると説明されています。つまり「現地に着いてから足りないワクチンを打とう」という考え方は、インドネシアではうまくいかない可能性があるということです。狂犬病を含め、検討している予防接種は日本にいるうちに済ませておくほうが確実です。
スケジュールと相談のタイミング
FORTHは、複数回の接種が必要なワクチンがあることから、渡航予定が決まったらなるべく早く、できれば出発の3か月以上前からトラベルクリニックなどの医療機関に相談するよう案内しています。狂犬病の暴露前接種については、FORTHの案内で「1か月間で3回の接種が必要」とされており、直前になって思い立っても間に合わない可能性があります。子連れで家族全員分の接種を検討する場合はなおさら、早めの相談が現実的です。
費用は、ワクチンの種類やメーカー、受診するクリニックによって幅があり、今回確認した公的情報の中に具体的な金額の記載は見当たりませんでした。根拠のない数字は示さず、正確な費用は相談時にトラベルクリニックへ直接確認することをおすすめします。なお、暴露前接種の有無にかかわらず、実際に咬まれた場合は前章の手順どおりすぐに傷を洗って受診してください。接種済みかどうかで現地での対応内容が変わることがあるため、その点は必ず医師に伝えてください。
蚊が媒介する感染症、特にデング熱について
狂犬病とあわせて気になるのが、蚊が媒介する感染症です。外務省の「世界の医療事情」インドネシア編によると、デング熱は例年雨季に患者数が増加し、インドネシア国内で年間10万人程度の患者が発生しているとされています。典型的な症状は、倦怠感、38度を超える発熱が数日続くこと、関節痛、頭痛、目の奥の痛みで、その後発疹が出現することがあると説明されています。FORTHのインドネシア渡航情報でも、高温多湿な気候から都市部を含めてデング熱が増加していること、感染は通年発生するものの蚊が繁殖しやすい雨季に増えること、チクングニア熱も流行していることが案内されています。
在デンパサール総領事館の安全情報は、デング熱を媒介するネッタイシマカなどの蚊が、家の周りにたまった水たまりで繁殖しやすいこと、予防は防蚊対策に尽きると説明しています。具体的には、長袖・長ズボンを着用する、DEET(ディート)を含む虫よけを使う、たまり水をこまめに取り除くといった対策が挙げられています。一度感染して回復した後も再感染しうる点にも触れられており、油断せず毎日対策を続けることが重要です。
デング熱のワクチンについては、国立健康危機管理研究機構(旧・国立感染症研究所)が公開している情報の中で、QDENGAというワクチンがインドネシア、EU、英国、タイ、アルゼンチン、ブラジルなどで承認されていると紹介されています。ただし、同じ情報の中に日本での承認について明記した記載は見当たらず、2026年9月時点で日本国内のトラベルクリニックで広く接種できるワクチンとして確立しているとは、今回の調査では確認できませんでした。デング熱に対する予防の中心は、現時点ではワクチンよりも蚊に刺されないことだと考えておくのが実際的です。最新の状況は、トラベルクリニックで直接確認してください。
なお、FORTHのインドネシア渡航情報では、マラリアについても東部地域を中心に一年中リスクがあること、熱帯熱マラリアと三日熱マラリアに薬剤耐性の報告があることが案内されています。西ヌサトゥンガラ州を含む渡航先や滞在日数によっては予防薬の要否が変わるため、こちらもあわせてトラベルクリニックで相談することをおすすめします。防蚊対策は、デング熱だけでなくマラリアやチクングニア熱への備えとしても共通して有効です。持ち物リストを作る段階で、虫よけや長袖の服を早めに準備しておくと安心です。
子連れ・長期滞在の場合に気をつけたいこと
子連れ旅行や長期滞在の場合、狂犬病・デング熱ともに一般の短期旅行者より備えを手厚くする価値があります。理由は単純で、動物や蚊にさらされる回数そのものが増えるためです。FORTHの情報でも、犬・猫・野生動物(猿など)のまわりでは子どもへの監督を特に強めるよう注意喚起されています。小さな子どもは、痛みを我慢してしまったり、引っかかれたことを大人にうまく伝えられなかったりすることがあります。旅行前に「動物には触らない、餌をあげない」というルールを家族で共有し、万一のときは小さな傷でもすぐに大人に伝えるよう話しておくとよいでしょう。子連れでのロンボク旅行を考えている場合は、狂犬病・デング熱への備えも計画の一部に組み込んでおくことをおすすめします。
長期滞在や、日本とロンボクを行き来するような滞在スタイルを考えている場合は、前述のとおりインドネシア国内ではワクチンの在庫が不安定になりやすいという外務省の情報も踏まえ、必要な接種は日本にいるうちに計画的に終わらせておくほうが安心です。長期滞在を検討する場合の考え方も参考にしながら、渡航のたびに追加接種が必要になるものがないか、かかりつけの医師やトラベルクリニックに継続的に確認しておくとよいでしょう。海外旅行保険についても、海外旅行保険の基本を踏まえて、緊急移送や現地治療の補償内容を長期滞在向けのプランで確認しておくことが大切です。
図:子連れ・長期滞在者が出発前にしておきたいこと
セコトン現地からのひとこと
セコトンのような漁村のエリアでは、地元の人が飼っている犬や猫を放し飼いにしている光景を見かけることがあります。地元の暮らしの一部として見慣れているものでも、旅行者にとっては初めて出会う動物です。人懐っこく寄ってくる子犬や子猫でも、ワクチン接種歴などの事情は外から分かりません。かわいくても手を伸ばさない、写真を撮るために近づかない、という距離感を保っていただくのが一番の安全策だと感じています。持病がある方や小さなお子様連れの方は、出発前に一度トラベルクリニックで相談しておくと、現地での過ごし方にも余裕が持てると思います。
ロンボク・セコトンでの医療アクセスの現実
ここまで見てきた狂犬病やデング熱への備えは、バリ島だけでなくロンボク島でも基本的に同じ考え方で当てはまります。インドネシアという国全体が対象であり、ロンボクだけが例外的に安全というデータは確認できていないためです。そのうえで、ロンボクを検討する際に正直にお伝えしておきたいのが、医療アクセスの現実です。
外務省の「世界の医療事情」インドネシア編は、インドネシア全体として人口あたりの病床数が日本の10分の1程度であること、医師数も日本と比べて非常に少ないこと、大部分の医師が都市部に集中しており地方の医師不足が深刻な問題になっていることを指摘しています。これはジャカルタやバリ島のクタ・スミニャックのような都市部と、ロンボクの地方エリアとの間でも、医療体制に差があることを意味します。実際、外務省が公開しているインドネシアの主要医療機関リストには、ジャカルタ、バンドン、スラバヤ、デンパサール、マカッサル、メダンといった都市が並び、ロンボクの医療機関は個別には掲載されていません。ロンボクの病院・医療・保険事情もあわせて確認し、どのレベルの医療機関がどこにあるのかを事前に把握しておくことをおすすめします。
だからこそ、ロンボク・セコトンのような地方エリアに滞在する場合は、「動物に触れない」「蚊に刺されない」という予防そのものの重要性が、都市部に滞在する場合よりも一段と高くなります。何かが起きてから対処するより、起きないようにすることの比重が大きいということです。あわせて、緊急時に近隣の島や都市部への移送が必要になる可能性も踏まえ、海外旅行保険の緊急移送特約の有無を出発前に必ず確認してください。ロンボク島の治安や海外旅行の安全対策の記事とあわせて読むと、感染症以外のリスクも含めた全体像がつかみやすくなります。
バリ島とロンボク島、どちらを選ぶかの前に
狂犬病やデング熱への備えという観点だけで見れば、バリ島とロンボク島の間に大きな違いがあるとは言えません。どちらもインドネシアの一部であり、犬や猫、猿との接触を避け、蚊に刺されない対策をするという基本は共通しています。違いがあるとすれば、感染症のリスクそのものよりも、何かが起きたときにどれだけ早く医療にアクセスできるかという点です。バリ島の治安・安全対策と比べても、バリ島のクタやスミニャック、サヌールといったエリアには国際的な医療機関が集まっており、対応の速さという点では都市部に分があります。
ロンボク島、とりわけセコトンのような西南部の漁村エリアには、正直に言えば弱点もあります。日本からの渡航費用はバリ島経由になる分どうしても高くなりやすく、日本からの直行便もありません。雨季には天候の影響を受けやすく、街としての便利さという意味でもバリ島の都市部には及びません。都市の利便性や医療インフラの充実を優先したい方にとっては、バリ島や、ロンボクの中でも医療機関に近いセンギギ・マタラム周辺のほうが向いていると思います。
一方で、出発前にきちんと予防接種や保険を準備し、現地では動物や蚊との距離を保つという基本を守れるのであれば、ロンボクだからといって特別に危険というわけでもありません。むしろ観光客が集中しすぎていない分、動物との接触が起きやすい人混みや、餌やり目当てに人に慣れた野生動物が集まる観光スポットのような状況そのものが少ないとも言えます。セコトンのような静かな海辺で、事前準備をきちんと済ませたうえで過ごす時間を求める方には、ロンボクという選択肢が向いているはずです。大切なのは「どちらが安全か」を比べることではなく、自分たちの滞在スタイルに合わせて、必要な備えを具体的にしておくことです。
よくある質問
Q. バリ島・ロンボク島へ行くのに狂犬病の予防接種は必須ですか。
法律上義務づけられた予防接種ではありません。FORTHは、犬や野生動物との接触が予想される人に対して暴露前接種の検討をすすめる、という案内をしています。動物に触れる予定がなく、短期の観光が中心であれば、まずは「動物に触らない」という基本の徹底が優先されます。心配な方は渡航前にトラベルクリニックで相談してください。
Q. 子どもだけ予防接種を受けさせたほうがいいですか。
子どもは動物に近づきやすく、小さな傷を大人に伝えないまま済ませてしまうことがあるため、家族での接種を含めて検討する価値はあります。ただし年齢やスケジュールによって判断は変わるため、個別の要否は小児科やトラベルクリニックの医師にご相談ください。
Q. ロンボク島は狂犬病の心配がない地域ですか。
ロンボク島(西ヌサトゥンガラ州)に限定した公的な統計は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。ただし農林水産省動物検疫所の指定地域一覧では、インドネシアは国全体として狂犬病の清浄地域に含まれていません。ロンボクだから安全ということはなく、インドネシア全体として同じ基本の予防を徹底することをおすすめします。
Q. デング熱のワクチンを打っていけば安心ですか。
QDENGAというワクチンがインドネシアなど一部の国・地域で承認されていますが、日本での承認を明記した公的情報は今回確認できませんでした。現時点でのデング熱対策の中心は、長袖の着用や虫よけの使用といった防蚊対策です。最新のワクチン事情はトラベルクリニックに確認してください。
Q. 動物に軽く触られただけで、傷がなければ様子を見てもいいですか。
様子を見るのはおすすめできません。FORTHの情報では、症状がなくても、大きな傷でなくても、すぐに医療機関を受診することが案内されています。まずは石鹸を使って傷口を十分に洗い、その日のうちに現地の医療機関へ相談してください。
まとめ
バリ島・ロンボク島を含むインドネシア全域への渡航に、法律上必須の予防接種はありません。狂犬病は発症すればほぼ致死的な病気である一方、対策の基本は「動物に近づかない・触らない」というシンプルなものです。犬や猫、猿と接触する予定がある人、子連れ、長期滞在者は、出発の3か月ほど前を目安にトラベルクリニックで暴露前接種を相談する価値があります。万一咬まれたり引っかかれたりした場合は、症状の有無にかかわらず石鹸で傷を洗い、その日のうちに医療機関を受診することが最も重要です。
デング熱をはじめとする蚊媒介感染症についても、現時点では防蚊対策が予防の中心です。ロンボク・セコトンのような地方エリアでは医療アクセスに限りがあるため、事前の予防と海外旅行保険の準備が、都市部に滞在する場合以上に重要になります。この記事はあくまで出発前に何を調べ、誰に相談すべきかを整理するためのものです。最終的な判断は、必ず医師やトラベルクリニックとの相談のうえで行ってください。
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この記事が根拠にした情報
- 厚生労働省検疫所FORTH「インドネシア」https://www.forth.go.jp/destinations/country/indonesia.html
- 厚生労働省検疫所FORTH「狂犬病(ファクトシート)」https://www.forth.go.jp/topics/2023/2023_0131.html
- 厚生労働省検疫所FORTH「インドネシア(バリ島)での狂犬病の流行状況について」https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2011/06201404.html
- 厚生労働省検疫所FORTH「海外渡航のためのワクチン(予防接種)」https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/useful_vaccination.html
- 外務省「世界の医療事情」インドネシア編(2024年10月改定)https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/indonesia.html
- 在デンパサール日本国総領事館「安全情報」https://www.denpasar.id.emb-japan.go.jp/itpr_ja/04_02safe.html
- WHO「Rabies」Fact sheethttps://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/rabies
- 国立健康危機管理研究機構(IASR)「デング熱ワクチンの現状について」https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/45/534/article/040/index.html
- 農林水産省動物検疫所「指定地域」https://www.maff.go.jp/aqs/animal/dog/rabies-free.html

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