2026年8月時点の情報
海外旅行の治安が心配で、行き先を決めきれずにいませんか。ニュースで見る事件と、自分がこれから行く場所のリスクが同じレベルなのか、旅行者にはなかなか判断がつきにくいものです。この記事では、外務省の海外安全ホームページの読み方と、出発前に登録しておきたい「たびレジ」、そして現地で実際に遭遇しやすいトラブルへの具体的な対策をまとめました。私たちSemelar Beach Villageはロンボク島セコトンで日本からのお客様をお迎えする中で、治安に関するご相談を数多くいただいてきました。その経験もふまえてご紹介します。
この記事でわかること
- ✓外務省「危険情報」レベル1〜4がそれぞれ何を意味するか
- ✓出発前に登録しておきたい「たびレジ」の使い方
- ✓スリ・ぼったくり・夜間・交通事故など、現地でよくあるリスクへの対策
- ✓治安への不安が比較的小さい旅行先に共通する条件
結論
「国単位の危険レベル」と「エリア・行動ごとの危険」は別物です。外務省の危険情報で大枠を把握したうえで、スリやぼったくりなど旅行者が実際に遭遇しやすいトラブルへの行動レベルの対策を組み合わせれば、リスクの多くは事前に避けられます。
治安情報を「レベル」の数字だけで見てはいけない理由
「この国は危険情報レベル1だから安全」「レベルが出ていないから何も気にしなくていい」——こう考えてしまうのは早計です。外務省の危険情報は、その国・地域で武力紛争やテロ、大規模な治安悪化といった「渡航の可否を左右するレベルの危険」があるかどうかを示す指標であり、観光客が日常的に遭遇するスリ、置き引き、ぼったくり、夜間の路上トラブル、交通事故といったリスクとは、性質が異なります。
実際、危険情報レベル1すら出ていない国・都市でも、観光客を狙ったスリや詐欺は起こります。逆に言えば、危険情報のレベルを確認するのは「渡航してよいかどうか」を判断する最初のステップにすぎず、そこから先は「現地でどう行動するか」という個人の準備が治安体感を大きく左右します。まずはこの2つを分けて考えることが、海外旅行の漠然とした不安を具体的な対策に変える第一歩です。
もう一つ意識しておきたいのは、危険情報は「今この瞬間の平常時のリスク」だけでなく、「将来起こりうる急変」も見越して保守的に設定される傾向があるという点です。そのため、レベル1や情報なしの国・地域であっても、選挙前後や大型連休、宗教的な祝祭日の前後は現地の雰囲気が普段と変わることがあります。渡航時期が政治的・社会的なイベントと重ならないかも、あわせて確認しておくと安心材料が増えます。
外務省「海外安全ホームページ」の危険情報、レベル1〜4の意味
外務省は「海外安全ホームページ」(anzen.mofa.go.jp)で、国・地域ごとに「危険情報」を4段階のレベルで公表しています。国全体に一律のレベルが出ている場合もあれば、同じ国の中でも州や地方によってレベルが分かれている場合もあり、これが「国単位ではなくエリア単位で見る必要がある」理由です。各レベルの意味は次の通りです。
← 表は横にスクロールできます
| レベル | 見出し文言 | 目安となる対応 |
|---|---|---|
| レベル1 | 十分注意してください | 渡航は可能。犯罪発生状況などに注意しつつ通常の警戒をする段階 |
| レベル2 | 不要不急の渡航は止めてください | 目的が観光など不要不急であれば渡航自体を再考する段階 |
| レベル3 | 渡航は止めてください(渡航中止勧告) | 目的を問わず渡航の中止が勧告される段階 |
| レベル4 | 退避してください。渡航は止めてください(退避勧告) | 滞在中の人は国外への退避、新規の渡航は中止が勧告される最高レベル |
※外務省海外安全ホームページの危険情報にもとづく目安です(2026年8月時点)。最新の指定・区分・文言は必ず外務省公式サイトでご確認ください。
ポイントは、危険情報が国全体ではなく地域(州・県・都市単位)ごとに色分けされているケースが多いことです。同じ国でも首都と国境地帯でレベルが異なる、といった表示は珍しくありません。渡航先を調べるときは、必ず自分が実際に訪れる都市・エリア名まで絞り込んで確認してください。
危険情報とは別枠で、外務省の海外安全ホームページには「感染症危険情報」(特定地域での感染症流行に関する注意喚起)や、個別の事件・事故・自然災害を受けて随時発表される「スポット情報」「広域情報」も掲載されます。危険情報は更新頻度が高くない一方、スポット情報や広域情報は直近の事件・事故を受けて出ることが多いため、渡航直前・滞在中もあわせてチェックしておくと、より実情に近い情報が得られます。
たびレジに登録しておくメリット
「たびレジ」は外務省が提供する海外旅行登録サービスで、渡航先や日程を事前に登録しておくと、その国・地域の最新の安全情報がメールで届きます。登録は無料で、メールアドレスまたはLINE連携で行えます。滞在先や連絡先を外務省側で把握してもらえるため、現地で大きな災害やテロ、政変などが起きた際に、緊急時の連絡や安否確認、必要に応じた退避情報の案内を受け取りやすくなる点が最大のメリットです。
図:たびレジ登録〜現地到着後の確認習慣
「治安に不安がない行き先だから登録しなくていい」というものではありません。むしろ危険情報のレベルが低い国・地域ほど「まさか自分の行き先で」という油断が生まれやすいため、出発前の数分で完了する登録は、渡航先を問わずしておくことをおすすめします。
たびレジ登録の流れと、現地到着後も続けたい確認習慣
たびレジへの登録は、外務省海外旅行登録サイトにアクセスし、氏名・渡航先・滞在期間・宿泊先といった基本情報を入力するだけで完了します。メールアドレスでの登録に加えてLINE連携にも対応しており、スマートフォンから出発前の空き時間に済ませられる手軽さも利点です。旅程が複数国にまたがる場合や、直前で宿泊先が変わった場合も、登録内容は後から修正できます。
治安のチェックは出発前だけで終わらせず、現地到着後も習慣にしておくと安心です。たとえばホテルやゲストハウスのフロントスタッフに「最近このあたりで気をつけたほうがいいことはありますか」と一言聞いておくと、ネット検索では出てこない直近の生きた情報が得られることがあります。また、たびレジに登録していれば滞在中に緊急情報が届くので、通知が来た際はすぐに内容を確認する習慣もつけておきましょう。
現地でよくあるリスクと具体的な対策
図:現地でよくあるリスクと基本の対策
スリ・置き引き
観光客が最も遭いやすいトラブルです。混雑した市場・駅・バス車内、写真撮影に気を取られている瞬間が狙われやすいタイミングです。貴重品は体の前面に密着させる、バッグはファスナー付きで斜めがけにする、現金とカードを分散して持つ、といった基本対策が有効です。両替や現金・カードの持ち方全般は両替・支払いの基礎知識でも触れているので参考にしてください。
ぼったくり
タクシーの配車アプリを使わず流しの車に乗る、価格表示のない店で交渉なしに注文する、といった場面で発生しやすくなります。乗車前・注文前に金額を確認する、可能であれば配車アプリやホテル手配のタクシーを使う、事前に相場感を調べておくといった対策で多くは防げます。両替時のレートについても、空港や街中の両替所ごとに差があるため、複数箇所を比較する習慣をつけておくと安心です。
夜間のトラブル
人通りが少ない道や、観光客向けに賑わうエリアの周辺路地は、夜間になるほどリスクが上がります。夜の一人歩きを避ける、宿泊先までの移動手段を事前に決めておく、飲酒時は特に警戒心を保つといった基本を徹底するだけで、遭遇率は大きく下がります。
交通事故
実は多くの旅行者にとって、犯罪よりも交通事故のほうが身近なリスクです。国や地域によって交通ルールやマナーが日本と大きく異なることがあり、特にバイクタクシーやレンタルバイクの利用時は注意が必要です。移動手段ごとの特徴やヘルメット着用の有無なども事前に確認しておきましょう。島内の移動手段についてはロンボク島の島内移動ガイドでも紹介しています。
親切そうな声かけ・偽警官トラブル
観光客の多いエリアでは、親切を装って近づき、有料の案内や不要な土産物店へ誘導する手口や、制服らしきものを着た人物が「パスポートを見せろ」と声をかけて金品を要求する手口も報告されています。見知らぬ人からの過度に親切な声かけには一定の警戒心を持ち、身分証の提示を求められた場合はコピーを見せる、人通りの多い場所への移動を求める、ホテルや大使館に電話で確認するなど、その場で即座にすべてに応じない姿勢が有効です。
注意
- パスポートのコピー:原本とは別の場所に保管し、スマホにも画像を保存しておくと紛失時の再発行手続きがスムーズです
- 緊急連絡先:現地の日本国大使館・総領事館の電話番号は出発前に控えておきましょう
- 海外旅行保険:治安リスクだけでなく病気・けがへの備えとしても加入を検討してください
治安への不安が小さい旅行先に共通する条件
治安情報の調べ方と現地対策を押さえたうえで、そもそも不安を感じにくい行き先を選ぶという発想も有効です。共通する条件としては、観光エリアが比較的コンパクトで移動がシンプルなこと、繁華街の喧騒や夜のネオン街から距離があること、そして宿泊先に日本語や英語で相談できるスタッフがいて、何かあったときに頼れる窓口があることが挙げられます。
もう一つの目安が、観光客の絶対数が少なすぎないことです。観光客がある程度いる場所は、宿やレストランの側にも受け入れ慣れがあり、トラブル対応の経験値が蓄積されています。逆に観光客がほとんどいない場所は、良くも悪くも「特別扱い」されやすく、料金交渉のトラブルにつながることもあります。適度に旅行者慣れしていて、かつ喧騒からは離れている——このバランスが取れた行き先が、治安不安の少なさにつながります。
私たちが拠点を置くロンボク島セコトンも、そうした条件に当てはまるエリアの一つです。バリ島のような都市型の繁華街がなく、静かな漁村と海が中心の環境のため、夜間の繁華街トラブルのリスクそのものが少ないのが特徴です。詳しい治安の実情はロンボク島の治安で解説しています。もちろんどの行き先であっても、この記事で紹介した基本対策は変わらず必要です。
🏝️ セコトン現地からのひとこと
セコトンでお客様からいただく治安のご質問で一番多いのは「夜、外を歩いても大丈夫ですか」というものです。私たちは基本的に「無理に歩かず、宿から手配する移動手段を使ってください」とお伝えしています。危険情報のレベルが低いからといって気を抜くのではなく、地方の田舎町ならではの「人通りが少ない時間帯の一人歩きは避ける」という当たり前の対策を、旅行中もそのまま続けていただくのが一番の近道だと感じています。
よくある質問
Q. 危険情報が出ていない国なら心配しなくていいですか?
危険情報は主に紛争・テロ・大規模な治安悪化などを対象にした指標で、スリやぼったくりのような日常的な犯罪リスクは別に考える必要があります。レベルが出ていない国でも、この記事で紹介した基本対策は行うようにしてください。渡航先の都市名で最新のニュースを検索しておくのも、直前の情報収集として有効です。
Q. たびレジは家族の分もまとめて登録できますか?
同行者情報をあわせて登録する仕組みが用意されています。具体的な登録項目や操作方法は変更される場合があるため、登録時に外務省の公式ページの案内に沿って進めてください。
Q. 危険情報のレベルは旅行中に変わることがありますか?
政情や治安状況の変化に応じて、渡航中にレベルが引き上げられることもあります。たびレジに登録しておけば、そうした更新情報がメールで届くため、現地での状況把握に役立ちます。滞在が長期にわたる場合は、現地の日本国大使館・総領事館への「在留届」の提出も検討してください。
Q. 治安が心配で行き先を絞れません。どう選べばいいですか?
危険情報のレベルに加えて、観光エリアの規模や夜のネオン街との距離、宿泊先に日本語・英語で相談できるサポート体制があるかを基準にすると選びやすくなります。移動がシンプルで夜間の外出が少なく済む滞在スタイルほど、体感的な不安は小さくなる傾向があります。
まとめ:調べ方を知れば、治安不安の大半は「対策できる不安」に変わる
海外旅行の治安不安は、正体がわからないまま漠然と抱えていると大きく感じられますが、外務省の危険情報でレベル1〜4の意味を理解し、たびレジに登録し、スリ・ぼったくり・夜間・交通事故という具体的なリスクへの対策を一つずつ押さえていけば、その多くは事前に対処できる不安に変わります。
そのうえで、観光エリアがコンパクトで移動がシンプルな行き先や、日本語・英語のサポート体制がある宿を選ぶことも、不安を減らす有効な手段です。治安情報を「知って終わり」にせず、たびレジ登録や貴重品の管理といった実際の行動に落とし込むところまでがワンセットだと考えてください。
私たちSemelar Beach Villageも、セコトンに拠点を置く立場から、これからも実情に即した治安情報や滞在の工夫をお届けしていきます。初めての行き先ほど不安は大きくなりがちですが、正しい調べ方さえ知っていれば、その不安の多くは出発前に取り除くことができます。

この記事が根拠にした情報
- 外務省 海外安全ホームページ「危険情報とは」https://www.anzen.mofa.go.jp/kiken_list.html
- 外務省海外旅行登録「たびレジ」案内ページhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/agree.html
- 政府広報オンライン「出発前に登録を!海外での安心を届ける“たびレジ”」https://www.gov-online.go.jp/article/202512/radio-3335.html

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