ギリ諸島とは?3島の違いと行き方を徹底解説

2026年8月時点の情報

「ギリ諸島」とは、ロンボク島北西部に浮かぶギリ・トラワンガン・ギリ・エア・ギリ・メノの3島の総称です。車もバイクも走らない独特の環境で知られ、透明度の高い海とサンゴ礁を目当てに世界中から旅行者が集まります。この記事では、3島の違いと行き方の全体像、そして開発で生じている課題までを、ロンボク島セコトンに拠点を置く私たちSemelar Beach Villageの視点で整理しました。

この記事でわかること

  • ギリ諸島とは何か、ギリ・トラワンガン/ギリ・エア/ギリ・メノ3島それぞれの違い
  • 車もバイクも走らない島の仕組みと、その魅力・不便さの両面
  • バリ島・ロンボク島本島からの行き方の全体像
  • 水不足・ゴミ・物価上昇など開発で生じている課題と、セコトン沖に浮かぶ「南ギリ諸島」との関係

結論

にぎやかさとナイトライフならトラワンガン、バランス型ならエア、静寂を求めるならメノ。3島とも車・バイクの走らない小島で、バリ島からの直行ファストボートか、ロンボク本島経由でアクセスします。

目次

ギリ諸島とはどんな場所か

「ギリ(Gili)」はロンボク島の先住民族であるササク族の言語で、単に「小島」を意味する言葉です。そのため実はロンボク島の周辺には「ギリ」と名の付く島が他にも複数存在し、後述するセコトン沖の島々もその一つです。一般に「ギリ諸島」「ギリ3島」と呼ばれる場合は、ロンボク島北西部・ロンボク海峡に浮かぶギリ・トラワンガン、ギリ・エア、ギリ・メノの3島を指します。

行政上はロンボク島(北ロンボク県)の一部であり、独立した島国や別の島というわけではありません。とはいえ、車もバイクも走らない小さな島という独自の環境から、ロンボク本島とはまったく異なる旅の体験ができるエリアとして、日本語圏でも「ギリ島」「ギリトラ」といった呼び名で個人ブログや旅行記に登場することが増えています。

3島とも透明度の高い海に囲まれ、シュノーケリングやダイビングで人気です。特にウミガメに遭遇できるポイントが複数あることや、後述するサンゴ礁再生プロジェクトが進んでいることも、この海域の大きな魅力になっています。

ギリ・トラワンガン、ギリ・エア、ギリ・メノの違い

3島は隣接していますが、規模も雰囲気もそれぞれ異なります。まずは全体像をつかむための簡単な比較です(詳しい行き方やホテル情報は個別記事に譲ります)。

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項目ギリ・トラワンガンギリ・エアギリ・メノ
規模3島で最大。観光開発が最も進んでいる3島の中間。ロンボク本島に最も近い3島で最小。開発が最も控えめ
雰囲気にぎやか。バーやレストラン、ナイトライフが充実バランス型。落ち着いた滞在と一定の便利さが両立静か。観光インフラは最小限
向いている人社交的に過ごしたい人、ダイビング目的の人長期滞在やワーケーション志向の人、カップル静寂を求める人、ハネムーン層
島内の見どころ西海岸のサンセットスポット、周回サイクリングウミガメと出会えるシュノーケリングポイント島西側の塩湖、静かなビーチ
夜の様子遅くまで賑わうエリアがある落ち着いた雰囲気が中心早い時間から静か

※一般的な旅行情報にもとづく整理(2026年8月時点)

図:ギリ3島の位置づけ|規模とにぎやかさ

静か にぎやか 大規模 小規模 ギリ・トラワンガン ギリ・エア ギリ・メノ

規模・にぎやかさは一般的な旅行情報にもとづく相対的な位置づけです(2026年8月時点)

一般に紹介されている情報では、トラワンガンが1,500人前後、エアが1,800人前後、メノが500人前後とされていますが、最新の統計は現地の公式情報での確認が必要です。いずれにしても、トラワンガンとエアが比較的にぎわいのある島、メノが最も静かな島、という序列は複数の情報源で一致しています。

ファミリー向けとしては、ナイトライフが活発なトラワンガンよりも、エアやメノのほうが落ち着いて過ごしやすいという声が多いようです。逆に「にぎやかな島時間を求めている」「ダイビングショップやバー巡りを楽しみたい」という場合はトラワンガンが定番の選択肢になります。

図:あなたに合うのはどの島?

にぎやかな島時間やナイトライフを楽しみたい?

YES

ギリ・トラワンガンが定番

バーやレストラン、ダイビングショップが充実。3島で最もにぎやかな島です。

NO

ギリ・エア/ギリ・メノへ

落ち着きと便利さの両立ならエア、静寂を求めるなら3島で最も静かなメノが候補です。

車もバイクも走らない島――移動手段とその理由

ギリ諸島最大の特徴は、島内に自動車もオートバイも一切走っていないことです。これは規制でありながら、同時にこのエリア最大の観光資源にもなっています。

主な移動手段は徒歩・レンタサイクル・チドマ

島内の移動手段は主に次の3つです。

  • 徒歩:どの島も規模が小さく、宿泊エリアから港、ビーチまで歩いて移動できる範囲に収まっていることがほとんどです
  • レンタサイクル:特にトラワンガンでは自転車での島一周が定番のアクティビティになっています。目安として1〜2時間程度で一周できる規模です
  • チドマ(cidomo):荷物運びや港からホテルまでの移動に使われる伝統的な馬車です。乗客と荷物を運ぶ小型の「チドマ」と、建材や飲料水など大きな荷物を運ぶための大型の平台車「ドンゴル」があります

チドマは観光客向けの乗り物としてだけでなく、島の物流を支えるインフラでもあります。港に船が着くたびに、ホテルの荷物や飲料水のボトルを積んだチドマ・ドンゴルが行き交う様子は、ギリ諸島らしい光景のひとつです。

なお近年は、馬の労働環境をめぐる動物福祉の課題が指摘されてきた経緯もあります。これを受けて、各島の組合(コペラシ)による運行ルールの整備や、獣医ケアを提供する現地NGOの活動などを通じて、馬の健康状態を改善する取り組みが進められてきました。トラワンガンでは、チドマにGPS追跡を導入するなど管理体制の強化も行われているようです。動物とともにある移動手段だからこそ、こうした背景も知っておくと、島の見え方が少し変わるかもしれません。

なぜ車両が禁止されているのか

車両禁止は法律というより、地域コミュニティの選択として長く続けられてきたルールです。狭い島に車やバイクが入ってしまうと、騒音や排気ガス、事故のリスクが一気に増えてしまいます。車両を締め出すことで、静かな環境、きれいな空気、安全な路地、そしてゆったりとした島時間が保たれているといえます。

一方で、これは不便さの裏返しでもあります。大きな荷物を運ぶのは大変ですし、島の端から端まで急いで移動したいときも、自転車かチドマに頼るしかありません。夜間、悪天候時の移動手段が限られる点も含めて、「便利さより静けさを取る」という島全体の選択が、旅行者の過ごし方にもそのまま影響してくると考えておくとよいでしょう。

バリ島・ロンボク島本島からのアクセス概要

ギリ諸島への行き方は大きく分けて「バリ島から直接向かうルート」と「ロンボク島本島を経由するルート」の2つがあります。詳細な料金や所要時間の比較は別記事に譲り、ここでは全体像だけ押さえておきます。

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ルート主な出発地特徴
バリ島から直行ファストボートパダンバイ、スランガン、アメッドなど最も一般的な方法。乗り換えなしで各島の港に直接着岸する便が多い
ロンボク本島経由ロンボク国際空港(プラヤ)→バンサル港飛行機でロンボク入りしてから船に乗り換える方法。空港から港までは陸路移動が必要
バンサル港からの乗合/ファストボートバンサル港(北ロンボク)乗客が集まり次第出発する乗合の公共ボートと、時間指定で運航するファストボートの2種類がある

※一般的な旅行情報にもとづく整理(2026年8月時点)

バリ島側の出発港はパダンバイ、スランガン、アメッドなど複数あり、どの港を使うかによって所要時間や経由する島が変わります。ロンボク島本島から向かう場合は、北部のバンサル港が伝統的な玄関口として知られていますが、近年はロンボク各エリアのホテル・ヴィラから直接ギリ諸島の港へ送迎してくれるファストボートサービスも増えています。

注意

ボートの料金や便数、運航会社は時期によって変動が大きく、公共ボートは「定員に達し次第出発」という運航形態のため待ち時間も読みにくいのが実情です。正確な最新情報は、個別の行き方記事や現地の窓口で確認することをおすすめします。ロンボク島全体の行き方や気候については、別記事「ロンボク島完全ガイド」でもあわせてご紹介しています。

開発が進んだことで見えてきた課題――水・ゴミ・物価

ギリ諸島、特にギリ・トラワンガンは観光地として大きく成長してきましたが、その裏で開発による課題も指摘されるようになっています。誇張せず、正直にお伝えします。

水不足 ギリ諸島は淡水資源に乏しい小さな島です。星付きホテルでは客室1室あたり1日800リットル程度の水が使われる一方、住民1人あたりの使用量は200リットル程度とされ、観光需要の急増が水資源への負荷を高めているという指摘があります。気候の変化による降雨パターンの変化も影響しているとされ、近年は水不足がギリ諸島の観光業全体の課題として報じられることが増えています。島や季節によって状況は異なるため、渇水期に訪れる場合はホテル側に水の使用状況を確認しておくと安心です。

ゴミ処理 小さな島ゆえに、ゴミの処理能力には限界があります。過去には観光客の増加にゴミ処理体制が追いつかず、ビーチや島の一部にゴミが目立つ状態になっていると報じられたこともありました。これを受けて、「Gili Eco Trust」をはじめとする現地団体がゴミの分別・リサイクル、ビーチクリーンなどの取り組みを続けており、状況の改善が図られています。とはいえ、離島という物理的な制約がある以上、旅行者一人ひとりがゴミを持ち帰る、使い捨てプラスチックを減らすといった意識を持つことも大切です。

物価の高さ すべての物資を船で運び込む必要があるため、食料品や日用品、宿泊費はロンボク本島に比べて割高になる傾向があります。特にトラワンガンは開発が進んでいる分、飲食店やホテルの価格帯もロンボク本島の中心部より高めです。「離島価格」であることは事前に理解しておくと、現地でのギャップを感じにくくなります。

図:開発が進んだことで見えてきた課題3つ

1 水不足 観光需要の増加で淡水資源への負荷が高まっているとの指摘 2 ゴミ処理 小さな島ゆえゴミ処理能力に限界があり、地元団体が対策を継続 3 物価の高さ 物資を船で運ぶため食料品・宿泊費がロンボク本島より割高

こうした課題は、裏を返せば「車のない静かな島」という魅力を維持するために島全体が抱えているコストともいえます。便利さと引き換えに守られている環境がある、という視点を持って訪れると、島の見え方も変わってくるはずです。

電気供給の歴史――発電機から海底ケーブルへ

今でこそギリ諸島の宿泊施設では当たり前のように電気が使えますが、その歴史は決して長くありません。かつては島ごとにディーゼル発電機と限られた太陽光パネルで電力をまかなっており、天候が悪いと燃料の補給船が出港できず、太陽光パネルも稼働できないという不安定な状態が続いていました。

この状況を改善するため、2012年前後にロンボク本島からギリ諸島へ海底ケーブルを敷設し、電力網を接続するプロジェクトが進められました。全長4.6キロメートル、最大水深30メートルという海底ケーブル工事によって、天候に左右されにくい安定した電力供給への道が開かれたことになります。現在はこの海底ケーブルによる送電に加えて、太陽光発電も併用されているとみられます。離島であることに変わりはないため、旅行者としては「都市部と同じレベルの電力インフラを期待しすぎない」くらいの心構えでいるとよいかもしれません。

サンゴ礁の保護と海の魅力

ギリ諸島がダイビング・シュノーケリングの目的地として選ばれ続けている理由のひとつが、長年続けられてきたサンゴ礁保護の取り組みです。

2000年代初頭、ダイナマイト漁や無秩序なボートの係留によるサンゴ礁の破壊が問題視されたことをきっかけに、「Gili Eco Trust」という非営利団体が設立されました。同団体は係留ブイの設置、リーフモニタリング、環境教育などを通じて、この海域を代表する海洋保全組織として活動を続けています。

象徴的な取り組みが「バイオロック(Biorock)」と呼ばれる技術です。金属製の構造物に微弱な電流を流すことで、海水中のミネラルが構造物に付着して石灰質の層を形成し、そこに新しいサンゴが定着していきます。トラワンガン沖のバイオロックのダイブサイトでは、ハードコーラルやソフトコーラルが育ち、稚魚の隠れ家や、ウミガメが訪れる場となっています。ギリ・エアでも地域主体のサンゴ再生活動が行われているなど、観光と自然保護を両立させる取り組みが3島に広がっています。

こうした保護活動があるからこそ、開発が進んだ今も透明度の高い海と豊かなサンゴ礁が保たれているといえます。旅行者としては、決められた係留ブイの利用やサンゴに触れないといった基本的なマナーを守ることが、この海を次世代につなぐ一番シンプルな貢献になります。

🏝️ セコトン現地からのひとこと

私たちが拠点を置くセコトンの沖にも、ギリ・ナングーをはじめとする小さな島々が点在しています。北のギリ3島ほど観光開発が進んでいない分、静かなビーチと素朴な島時間が残されており、私たちはこのエリアを「南ギリ諸島」と呼んでいます。

よくある質問

Q. ギリ3島はどう選べばいいですか?

にぎやかさやナイトライフ、ダイビング目的ならトラワンガン、落ち着いた滞在と便利さの両立ならエア、静寂を求めるならメノが定番の選択肢です。ファミリーにはエアやメノのほうが落ち着いて過ごしやすいという声が多いようです。

Q. 島内はどうやって移動しますか?

車もバイクも走っていないため、徒歩・レンタサイクル・チドマ(馬車)が主な移動手段です。どの島も徒歩で移動できる範囲に収まる規模で、トラワンガンでは自転車での島一周(1〜2時間程度)が定番のアクティビティです。

Q. ギリ諸島へはどうやって行きますか?

バリ島(パダンバイ、スランガン、アメッドなど)からの直行ファストボートか、ロンボク本島(バンサル港など)経由の2つが基本ルートです。料金や便数は時期によって変動が大きいため、最新情報の確認をおすすめします。

あわせて読みたい

まとめ|ギリ諸島の全体像をつかんだら、南ギリ諸島にも目を向けてみてください

ギリ諸島は、車もバイクも走らない3つの小島という共通の個性を持ちながら、トラワンガンのにぎわい、エアのバランス、メノの静けさと、それぞれ異なる表情を持つエリアです。馬車チドマやレンタサイクルでの移動、海底ケーブルが敷かれるまでの不安定だった電力事情、開発とともに顕在化した水不足やゴミ処理の課題――便利で美しいだけではない、島のリアルな姿も含めて知っておくことが、後悔のない旅先選びにつながります。

そして、実はロンボク島にはこの「北のギリ諸島」だけでなく、私たちSemelar Beach Villageが拠点を置くセコトンエリアの沖にも、ギリ・ナングーをはじめとする小さな島々が点在しています。ササク語で「小島」を意味する「ギリ」という名の通り、こちらも本来はギリ諸島の仲間です。北のギリ3島ほど観光開発が進んでいない分、静かなビーチと素朴な島時間が残されているのが特徴で、私たちはこのエリアを「南ギリ諸島」と呼んで、その魅力を発信しています。北のギリ3島でにぎやかな島時間を楽しんだ後、あるいはその前に、セコトンを拠点にして南ギリ諸島の静けさに触れてみるという旅程も、ロンボク島の楽しみ方の一つとしておすすめです。セコトンでの滞在に興味を持たれた方は、私たちの滞在プログラムもぜひチェックしてみてください。

SAKURA CAFEの小屋と傘、セコトンの浜

SEMELAR BEACH VILLAGE

私たちが暮らすセコトンの村に、泊まれます

ロンボク国際空港から車で約1時間10分。海辺のヴィラに泊まり、船頭の舟で島を巡り、SAKURA CAFEで夕日を見る滞在プログラム。日本語で相談できます。

この記事が根拠にした情報
  • Gili Eco Trustなど現地団体の公開情報(サンゴ礁保護・環境保全の取り組み)
  • 一般的な旅行情報(2026年8月時点)
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島巡りの朝、浜に立つ人と船

SEMELAR BEACH VILLAGE

ロンボク島セコトン村の海辺に泊まる

ロンボク国際空港から車で約1時間10分。海辺のヴィラと、船頭の舟で島を巡る3泊4日の滞在プログラム。日本語で相談できます。

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